きのうの記事でも書いたことだが、グローバル資本主義の暴力的な本質をもっとも的確にとらえていたのはマルクスであり、それは今も変わらない。1848年に書かれた本書の次のような予言は、早すぎたのだ。 ブルジョア階級は、世界市場の開拓を通して、あらゆる国々の生産と消費を国籍を超えたものとした。反動派の悲嘆を尻目に、ブルジョア階級は、産業の足元から民族的土台を切り崩していった。民族的な伝統産業は破壊され、なお日に日に破壊されている。それらの産業は新しい産業に駆逐され、この新たな産業の導入がすべての文明国民の死活問題となる。(p.19) この宣言の書かれたころ、世界のGDPに占める貿易額の比率は10%にも満たなかったが、20世紀後半からグローバル化は急速に進展し、今ではその比率は50%を超える。マルクスの時代には欧米の一部とその植民地にあっただけの「世界市場」が、今では全世界をおおっているのだ。それを