暮らしのなかのニセ科学 左巻健男 著 税込価格:691円 出版社:平凡社 ISBN:978-4-582-85847-1 一世を風靡したマイナスイオンから、今話題の水素水、デトックス、血液サラサラ、各種サプリメント、がん放置療法まで、ニセ科学批判の第一人者が一刀両断。 すい臓がんを患ったスティーブ・ジョブズも「ニセ科学」を盲信していたと言います。 がんの3大治療法として手術、薬物療法、放射線治療が挙げられますが、病気が発覚した時、ジョブズはこれらの治療法を選択しませんでした。 ジョブズは、マックス・ゲルソンなる人物が80年代に生み出した食事療法を選びました。これは、数ガロンの果物、野菜、子牛の生の肝臓を混ぜた自然食を食べ、毎日コーヒー浣腸をして有害な体の毒をデトックスするというもの。聞くからに怪しいのですが、追跡調査の結果、これらの治療法により症状が改善した人はいないことがわかり、インチキが
豊崎由美≒とよ婆 @toyozakishatyou ほんとだYO!百田氏が「どうせ書評も出ない」って愚痴ってたみたいだから書いたのにぃ。 RT @kirimperial1 週刊新潮で百田のカエルの楽園の書評が3大紙で書評が出ない!とクソみてぇなネタ記事出してるがTV Bros. で書評だした豊崎由美にコメントもらえよ。 2016-09-09 00:43:00 豊崎由美≒とよ婆 @toyozakishatyou てか、『カエルの楽園』みたいな小説(?)に書評が出ないことに怒ってるほうがおかしい。わたしみたいなバカ以外が、こんな低レベルかつ取り上げれば百田氏のファン(笑)から頭が痛くなるような面倒臭い反応がくるに決まってる本、誰が書評するかっていうの。みんな、忙しいの。 2016-09-09 00:46:21 豊崎由美≒とよ婆 @toyozakishatyou ひと月に出る国内外の小説の数った
「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜 早川 タダノリ (著) 税込価格:1,944円 出版社:青弓社 ISBN:978-4-7872-2065-3 近年、目に触れる機会が異常に増えた「日本スゴイ」本。 本書は、この「日本スゴイ本」を歴史的にさかのぼり、とくに1925年から1945年までに刊行された「日本スゴイ本」を「日本主義」「礼儀」「勤労」など現代の「日本スゴイ本」に見られるキーワードごとに整理し、その内容をいじわるな目線で吟味するもの。 しかも親切にも、古典的名著は完全排除し、歴史のごみ箱に捨て置かれたようなくだらない本、知っていても役に立たない本、人類の運命にとってはどうでもいい本を厳選し、紹介してくれています。 とくにわたしが好きなのは、1933年に出版された『日本人の偉さの研究』。 あらゆる領域で日本と日本人の世界一ぶりを列挙した本なのですが、ひときわ目を引くのが「
実は正確な書名は「日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか(著者岩瀬昇)」 これは書評ではなく、この本を参考に日頃考えていることをまとめてみた。 アメリカが昭和16年夏に石油を全面禁輸したことが日本を対米戦に駆り立てた決定的要因であったことはよく知られている。昭和天皇独白録でもこのことに触れている。 だがアメリカの石油禁輸と日本の対米開戦決断の関係については誤解している人が多い。日本はアメリカが石油を全面禁輸したのに逆上して開戦決意したわけではないし、テキサスの油田を取るために開戦決意したわけでもない。 戦前日本の石油自給率は低く産地は僅かに新潟と北樺太(ソ連領であったが日本は石油採掘利権をもっていた)だけであったし、比較的近い石油産地と言えば蘭印(インドネシア)しかなかった。しかも宗主国オランダは前年5月ドイツに占領されたので蘭印は半分空き家というのが日本の認識であった。 そもそも日
小説としては駄作である。正味200ページ足らずで、パラパラに組まれた1人称のモノローグで書かれている田中角栄伝は、巻末に列挙されている資料を読めば誰でも書ける。ただ著者が、なぜ人生の最期に近くなって田中論を書いたのかという意図は、「長い後書き」に書かれている。 日本の高度成長期に、それを支えたテレビや高速道路や新幹線をつくったのは、田中だった。彼が議員立法で40本も法律をつくった記録は、いまだに破られていない。日本の政治家のほとんどが官僚のつくった法律に文句をつけるだけなのに対して、田中は憲法の理想とするlawmakerとして、ずば抜けた能力を発揮したのだ。 彼の政治哲学はナショナリズムだった、と著者はいう。エネルギー資源に乏しい日本が発展するためには原油の確保が必要だと考えて中東外交を積極的に行ない、原子力開発のために地元に交付金を落とすシステムをつくった。しかしそれは日本を支配下に置こ
ここ数年、買い手としての自分と売り手としての自分との間に、上手く折り合いをつけられずにいる。一消費者としての立場から考えると、様々なコンテンツが安く、便利に手が入るようになったことは間違いなく喜ぶべき状況である。だが、広告屋としての売り手の立場から考えるとコンテンツが安くなる状況というのは、決して喜ぶべき状況ではない。 ただ喜ぶべき、もしくはただ憂うべきだけの状況だったら、まだ対処のしようもあるだろう。だが先行きが不透明なまま、もどかしさにかまけて身動きが取れないというのが実情だったりする。そして売るものも買うものも安くなっていく現象は、特定の産業のみに起こるものなのか? 世界全体の富の総量は増えていくのか、減っていくのか? それらの変化に伴い、人間の根源的な欲求は変わりうるのか? 疑問は尽きない。 本書は文明評論家として名高いジェレミー・リフキンが、今起こっている経済パラダイムの変換から
日本の反知性主義 (犀の教室) 作者: 内田樹,赤坂真理,小田嶋隆,白井聡,想田和弘,高橋源一郎,仲野徹,名越康文,平川克美,鷲田清一出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2015/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 集団的自衛権の行使、特定秘密保護法、改憲へのシナリオ…あきらかに国民主権を蝕み、平和国家を危機に導く政策が、どうして支持されるのか?その底にあるのは、「反知性主義」の跋扈!政治家たちの暴走・暴言から、メディアの迷走まで、日本の言論状況、民主主義の危機を憂う気鋭の論客たちによるラディカルな分析。『街場の憂国会議』に続く、緊急論考第2弾! 【目次】 反知性主義者たちの肖像 内田樹 反知性主義、その世界的文脈と日本的特徴 白井聡 「反知性主義」について書くことが、なんだか「反知性主義」っぽくて イヤだな、と思った
大阪都構想については個別の事情はいろいろあるだろうが、これは政策というより橋下徹氏の信任投票のようなものだった。全国的にみておもしろいのは、Vlogでも説明したように税金を使う世代が政治を決める傾向が鮮明に出てきたことだ。 これは「シルバーデモクラシー」の問題ではなく、デモクラシーの本質的な歪みである。今回は一つの問題についての住民投票というわかりやすい形で出てきたが、国政の歪みはもっと複雑で困難だ。1100兆円の政府債務と800兆円の年金債務を抱えて社会保障の削減は絶対さけられないのに、それを提案する党が与野党に一つもない。 日本の政治家は、個人後援会を通じて地元利益を吸い上げる受益者の代表になってしまい、納税者を代表する党が育たない。自民党という受益者集団が圧倒的多数で、それ以外の野党が(民主党も含めて)泡沫政党になってしまった。政党政治は本来、民意をグループにまとめる制度なのに、日本
自分が好きな作家(小説家、映画監督、漫画家など)が絶賛しているというだけで、その作品についついお金を出してしまうということがあります。 最近で言えば、東村アキコさんが絶賛したマンガ『僕の変な彼女』が掲載されているマンガ誌『モーニング』。 <東村アキコさん絶賛 モーニングの新人賞受賞作「僕の変な彼女」Webで公開され話題に> わたしは、マンガ大賞2015に選ばれた『かくかくしかじか』で知られる漫画家の東村アキコさんが好きなのですが、その東村さんがTwitterで「私の読んだ漫画の、人生読み切りベスト10いや、ベスト3に入る傑作」と絶賛したのが『僕の変な彼女』。 東村さんが絶賛したからには…という期待のもと、このマンガを読むためだけにモーニングを購入しました。 ちなみに、今は「週刊Dモーニング」で全ページが無料で読めるようになっていますので興味を持たれた方はぜひ。一読の価値ありです。 このよう
本書の史実にはいろいろ誤りが指摘されているが、発想はおもしろい。明治維新の実態は、長州の狂信的なテロリストが尊王攘夷というカルト思想にもとづいて徳川幕府を倒した内戦だった。「明治維新」という言葉も同時代にはなく、「昭和維新」のテロリストたちが使い始めたものだ。 その教祖とされる吉田松陰が、松下村塾を開いて「明治の元勲」を教育したというのも神話である。1842年に松下村塾を開いたのは玉木文之進で、松蔭は1857年にその塾頭となったが、翌年投獄されたので塾は廃止された。だから彼が塾の指導者だったのは1年余りで、彼が直接教育した著名人は高杉晋作と久坂玄瑞ぐらいだが、久坂が松蔭を尊王思想の教祖にまつり上げたのだ。 「維新」や「攘夷」という言葉は松蔭のオリジナルではなく、水戸学の受け売りである。この始祖は「水戸黄門」として有名な徳川光圀だが、彼は地元では暴君として知られていた。日本の歴史をすべて天皇
2014年08月08日18:00 カテゴリ読書・評論 「戦後日本の国家保守主義」を読む 老人党護憲プラスの「じゅんこ」さんから紹介を託されていた「戦後日本の国家保守主義〜内務・自治官僚の軌跡」(中野晃一・岩波書店)を読みました。2013年3月発行の、やや地味な本ですが、日本国家の骨格を形成してきた官僚組織は、敗戦と新憲法公布という激震をも乗り越えて生き残り、今もさまざまな影響を残しているという視点を教えてくれます。それを単なる総論ではなく、局長級以上のポストにあった者たちのキャリアパス(出身大学から退官後の役職まで)を明らかにするさまざまな資料を駆使して解明しているところに、類書のないユニークさがあります。 現代における国家とは何かと言えば、一定の地域に暮らす共通の言語、通貨、文化を持つ人間集団であり、単一の政治権力の下に統治されていると定義することができるでしょう。その統治を実行している
本書も指摘するように、日本には本来の意味での保守主義の伝統がない。それはconservatismを新自由主義と訳す無知な人々に象徴されている。それは当然で、保守主義はもともとイギリスで貴族や地主のイデオロギーとして生まれたものだ。これがアメリカに移植されて独立革命の伝統を守る人々のイデオロギーになったが、両者はかなり違う。 本家イギリスの保守主義はバークのように伝統や慣習を大事にし、「基本的人権」や「国民主権」といった抽象的な概念を否定するのに対して、アメリカの保守主義は「自立した個人」を絶対化し、政府の経済活動への介入を拒否する。両者に共通しているのは、国家への懐疑である。 ところが日本の自称保守は、安倍晋三氏のように日銀が物価水準を操作する「設計主義」を主張し、靖国参拝などに傾斜する国家主義である。これは英米の保守とは違い、北一輝や岸信介に始まる国家社会主義の伝統だ。これに反対する左翼
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く