ドナルド・トランプ氏が次期米国大統領に就任することが決まった。トランプ政権はどのような政権になるのか。みずほ総合研究所欧米調査部長の安井明彦さんに聞いた。【聞き手は経済プレミア編集部、平野純一】 ──トランプ政権はどのような政権になると思いますか。 ◆安井明彦・みずほ総合研究所欧米調査部長 政策は非常に不透明です。選挙戦では、まともな政策を言ったりしたかと思えば、すぐによく分からない政策を言ったりしました。どこまで練られた政策なのか判然としない部分があります。実際に何をやるのか分からない、これがトランプ政権の最大の“特徴”と言えるかもしれません。 逆に、これまで言ってきた政策がすべて実行された時は、大変な混乱が起きると思います。例えば不法移民をすべて追放するということになれば、消費は落ちるし、企業も労働不足になって大変なことになります。そこは、議会や周りのスタッフがトランプ氏に言い聞かせる
欧米政治、既存の対立構図が色あせ、「エリート対庶民」軸に 【ローマ福島良典】8日の米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)が国民の不満を吸収して勝利し、エリート主義に対抗するポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭が浮き彫りになった。経済と社会のグローバル(地球規模)化に伴う貧富の格差や移民流入への反発は欧州でも強まっている。米大統領選の結果は今後の国際政治の潮流にも影響を及ぼしそうだ。 「人種・宗教上の偏見を拡散している」。国連人権部門トップのゼイド国連人権高等弁務官は今年9月、トランプ氏やオランダの極右政党・自由党のウィルダース党首(53)、仏極右政党・国民戦線のルペン党首(48)ら「民族主義の扇動政治家」の差別的な言動を批判した。
まさに怒濤(どとう)のような進撃だった。 米大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補の当選が確定した。予備選の段階では泡沫(ほうまつ)候補とみられたトランプ氏は圧倒的な強さで同党の候補者指名を獲得し、本選挙でも知名度に勝る民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官を破った。 多くの米紙はクリントン氏を支持し、トランプ氏の大統領としての資質を疑問視した。投票前、ほとんどの米メディアはクリントン氏の勝利を予測したが、たたかれるほど強くなるトランプ氏は世論調査でも支持率を正確に測れなかった。潜在的な支持者(隠れトランプ)が多く、逆境になるほど結束したからだろう。 超大国の歴史的な転換 「私は決して皆さんをがっかりさせない」。勝利集会でトランプ氏はそう語った。クリントン氏から祝福の電話を受けたことも明かした。混迷の大統領選はこうして決着した。 米国の民意は尊重したいが、超大国の変容は大きな影響を及
超大国の次期指導者に、当初は泡沫(ほうまつ)候補扱いだったトランプ氏が決まった。 不動産王として知られてはいたが、政治経験はない。イスラム教徒の入国禁止を叫ぶなど数々の暴言、失言で世間を騒がせた。そういう氏の勝利は衝撃的であり、同時にアメリカ国民の選択にも驚きを禁じ得ない。 その行方は不透明だが、米国が劇的な変化を求めた結果を冷静に受け止めるしかない。 日本は米国を最も重要な同盟国と位置付けてきた。問われるのは、自由と民主主義などの価値観を共有する関係を今後もいかに維持していくかの具体論である。 《価値観共有への努力を》 格差拡大をめぐる不満などに起因する国内の対立の解消は、米国自らの手で行う問題である。だが、トランプ氏が訴える「米国第一主義」が孤立主義につながりかねない以上、自由貿易拡大の理念を貫徹するよう、日本は働きかける必要がある。 予想外の展開、規格外の人物の登場により「トランプ・
政治や公職の経験がない人物が初めて米国の大統領に就く。日本などとの同盟の見直しを公言している。「予測不能」の事態の展開にも冷静に対処することが肝要である。 米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ氏が、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を接戦の末に破り、当選を確実にした。来年1月20日に就任する。 トランプ氏は「米国を再び偉大にする」をスローガンに、オバマ民主党政権からの転換を唱えた。実業家の実績を強調し、「米国第一」の孤立主義と保護主義を打ち出した。国民皆保険を目指す「オバマケア」の撤廃も掲げた。 ◆亀裂を修復できるか 政界に縁がない「アウトサイダー」としての「変化」の訴えと過激な主張が、現状に不満を抱く有権者に浸透したのだろう。 社説でトランプ氏を支持した新聞は皆無に近い。世論調査に基づく予測は覆された。内心では変革を願う「隠れトランプ」票を読み誤ったのではないか。 焦点となってい
トランプ氏の大統領選勝利を、米国のメディアや政治専門サイトは予測できなかった。問題発言を繰り返すトランプ氏への支持を公言しにくいことや、大メディアへの不信感から、世論調査に回答しない「隠れトランプ票」の存在が「番狂わせ」を招いた。 ニューヨーク・タイムズ紙は10月下旬、民主党のクリントン氏の勝利確率を9割超とはじいていた。連邦捜査局(FBI)がクリントン氏の私用メール問題の捜査再開を公表した後も8割台としていた。 選挙予測に定評のあるサイト「ファイブ・サーティー・エイト」は、トランプ氏の勝率を最も高く見積もっていたものの、今月5日時点で、クリントン氏の勝率が約65%。トランプ氏の約35%を大きく上回ると予測していた。 メディアなどは世論調査をもとに勝敗を予測していた。しかし、選挙終盤に注目されたのは、「隠れトランプ票」の存在だった。 名前や年齢、職業を語って調査…
【ワシントン時事】米大統領選で公職経験ゼロの共和党の実業家ドナルド・トランプ氏(70)が勝利を確実にした背景には、国民の根深い政治不信がある。 トランプ氏の政策や政治姿勢は歴代大統領とは全く異なるため、米国の内政・外交が混乱し、国際社会を揺さぶる恐れも否定できない。 米政治は近年、党派対立が激化し、2013年には政府が閉鎖される事態に発展した。米社会の閉塞(へいそく)感を打開できないエスタブリッシュメント(既成勢力)への反発から、大統領選では「アウトサイダー旋風」が吹き荒れ、トランプ氏を当選ラインに押し上げる大きな要因となった。 トランプ氏は選挙戦で自身を「チェンジ(変革)の旗手」と位置付けた。投開票前のCBSテレビの世論調査では、12年の大統領選でオバマ大統領に票を投じた人の7%がトランプ氏を支持すると回答。オバマ氏の「チェンジ」に期待した有権者の一部がトランプ氏に流れた面もあるよ
11月9日8時(日本時間)から全米各地で開票が始まった2016年米大統領選は、共和党のドナルド・トランプ氏の当選が確実となり、トランプ氏が公の場で勝利宣言を行いました。 トランプ氏のTwitter(トランプ氏Twitter) 民主党のヒラリー・クリントン氏との激しい競り合いに世界中から注目が集まった今回の大統領選。トランプ氏の当選が確定したのは44州目、選挙人を10人擁するウィスコンシン州で勝利確実となった瞬間でした。獲得確実となっていた両陣営の選挙人数はこの時点で、トランプ氏が276人、クリントン氏が218人。 勝敗を分けるとされていた激戦州は、フロリダ州(選挙人29人)をトランプ氏、オハイオ州(18)をトランプ氏、アリゾナ州(11)をトランプ氏、ネバダ州(6)をクリントン氏、アイオワ州(6)をトランプ氏、ペンシルベニア州(20)をトランプ氏が、それぞれ勝利確実に。過去50年、ここを制し
2016年5月11日 田中 宇 5月3日、米国インディアナ州の共和党の予備選挙で、ドナルド・トランプがライバルのクルズらに圧勝した。米大統領選挙は、まず2大政党がそれぞれの統一候補を夏の党大会で決めた後、11月の最終投票で2人のどちらかを選出するのが事実上の制度だが、トランプは7月の共和党大会の代議員を決める各州での予備選挙で勝ち続け、5月3日のインディアナ州で全代議員の過半数がトランプ支持者で占められる状態にした。これで、トランプが共和党の統一候補になることが確定的になった。ライバル候補だったクルズとカシッチが相次いで敗北を認め、立候補を取り下げた。トランプは、すでに1050万人の共和党員に支持されており、最終的に共和党史上最多の支持を集めることが予測されている。 (How Trump Won?and How the GOP Let Him) (Trump To Get More Pri
アメリカ大統領ほど「世界」に対して影響を与える人物はいない。だから、大統領選挙が世界の注目を集めるのは当然であろうが、今回ほどとまどいと好奇心をもってみられるケースもめったにない。トランプ氏という相当に個性的なキャラクターが登場したからである。 民主党のオバマ大統領の実績も評判もいまひとつなので、通常ならば共和党圧勝となるはずなのだが、その共和党の一番手がこのトランプ氏なのである。テレビ画面を通す限りでいえば、トランプ氏の大仰(おおぎょう)な身ぶりも過激な発言もあまり品の良くないパフォーマンスと映る。支持者の喝采とは裏腹に、多くの者がとまどいを覚えるのも当然ではあろう。実像はよくわからないが、昨年評判になった本の題名を借りれば、「アメリカの反知性主義」の代表であるかに見えるし、そのように振る舞っている。だが、その強引で過激な「反知性主義」こそ、アメリカ社会のひとつの伝統であり、大衆の期待す
何とも危ない僅差の勝利でした。まだ、最終的な得票数は未確定ですが、獲得選挙人数は優勢であったものの、それで大勝という印象を持つとしたら違うと思います。純粋な全国での得票数(ポピュラー・ボート)では紙一重の差という感触だからです。 いずれにしても、2008年には「チェンジ」というスローガンを掲げて全米でブームを起こしたバラク・オバマの政権は2期目に入ることになりました。アメリカの大統領が再選されて2期目に入るという例では、1984年のレーガン、1996年のクリントン、2004年のブッシュと同じことになったのです。 ちなみに、レーガンとクリントンの再選は現職への圧倒的な信任というべき「地滑り的勝利」でした。また、2004年のブッシュの再選は、僅差の勝利ではありましたが、国論を二分した「イラク戦争」を争点とした中で現職が信任されたという事実は重いというのが、歴史上の評価になると思います。 ですが
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