映画女優アンジェリーナ・ジョリーの選択 今年5月、米国の女優アンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がん予防のために両乳房を切除したと公表した。母親が若くしてがんで亡くなったことから検査を受けたところ、がんになる可能性が高い遺伝子変異が見つかったという。 ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿文では、「できるかぎり乳がんになるリスクを減らすため、手術を受けることを決断した」と語っている。87%とされた乳がんの確率は、手術の結果、5%以下まで低下したという。 アンジェリーナさんのように、手術をするかしないかを含め、自分や家族の病気に対する治療法を選ぶ場面が、だれにでもある。あるいは、裁判員として被告を有罪とするか無罪とするか、厳しい判断を迫られる場面がある。 私たちは日常生活のさまざまな場面で、大なり小なり選択を迫られる。そのとき、判断を左右するのが、「確率」や「リスク」である。しかし、それらの言葉の意
前の記事で、自然放射線に関するコメントが多かったんで。少し解説しよか。自然放射線は二つのタイプに分かれる。「天から降ってくる」やつと「地から湧いて出てくる」やつや。 「天」のほうは、太陽からのとそれ以外に分かれる。どちらにしても、基本的に高緯度や高高度の場所が放射線量が多くなる。事故直後に、モスクワは東京より放射線量が多い、といわれたのは、これやな。 ただし、この話から、「それみろ、自然放射線程度では、健康被害なんかないだろ」とドヤ顔はせんといてほしい。高緯度や高高度の場所はたいてい寒いから、屋外活動は少ないし、衣服も分厚い。住民の被曝量の大小など、細かい議論ができるとは思えん。 「地」から来るほうは少し詳しく解説しよう。温泉地や火山地帯で線量が多くなりがちなのは、地域の土壌や岩盤のせいや。 一般に、放射性の元素というのは粒のデカイ金属元素が多い。今、一番問題になっている、放射性同位体を含
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