コラム世界史十字軍の功績と罪!度重なる遠征で彼らはヨーロッパに何をもたらしたのか?【世界史】Text:鈴木 旭 聖地エルサレム奪還の大遠征世にいう十字軍とは、1950年、北イタリアで開催された公会議に派遣されたビザンツ帝国の使節が、イスラム教徒のセルジューク朝トルコ軍に聖地エルサレムが占領され、聖地巡礼が迫害されたと大袈裟に報告したことから始まった。 早速、同年十一月、南フランスのクレルモン公会議でローマ教皇ウルバヌス二世は「忌まわしい民族(トルコ人)を根絶やしにせよ」「参加者は世俗の罪が許される」とすべてのキリスト教徒に呼び掛けた。教皇の呼び掛けは熱狂的な反応を全ヨーロッパに引き起こした。 翌年八月、南フランスに集結した遠征軍は総勢六万人。フランス、イタリアの騎士団、諸侯が中心であり、教皇から破門されているドイツの参加はなかった。彼らは一団(十字軍)となって軍を進め、エルサレムに到着する