今年、“日の丸家電”が外資の軍門に下る動きが相次いだ。日本を代表する家電ブランドのシャープに加え、東芝の白物家電子会社も外資傘下で経営を立て直すことになり、8月にそれぞれ新体制をスタートさせた。いずれも親会社のグローバルな部品調達や販売網を活用してコストダウンを図り、海外市場で競争力を高めるというシナリオを描く。ただ白物家電や調理家電は、食文化や生活習慣が異なる海外では、現地ニーズに合わせた開発も欠かせない。築き上げたブランドイメージも大切にしたい。多くの課題を背負っての“船出”だ。(石川有紀) 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の出資を受け、始動した「新生シャープ」。鴻海グループ副総裁でもある戴正呉(たい・せいご)新社長は「早期黒字化を実現し、輝けるグローバルブランドを目指す」と題したメッセージを出し、経営再建に本格的に乗り出した。デジタル化の進展による新興国メーカーの台頭で、国内の家電産