だが、市街地などを想定した訓練では、25メートル、10メートル、3メートル、ゼロ距離という至近距離がある。この場合、銃身の長い自動小銃だけでなく、拳銃も使用する。 拳銃と自動小銃では取り扱い方も異なるが、そもそも至近距離の射撃訓練は300メートル距離のそれとはまったく意味が異なるという。 「つまり、相手が敵対者なのか、市民なのか。瞬時に識別し、さらに、撃つべきかどうかの判断をしなければいけない。判断を間違えれば、命に関わります。もし実戦で遭遇した場合、想定外はありえません。だから、その瞬間、小銃を落とした、拳銃が故障したといったケースも含め、ありとあらゆる状況を想定して訓練をやっています。この訓練は私たちの部隊では毎週行っていますが、正直、一番難しいものでもあります」