民主党政権は一口で言えば国民の期待を裏切った。しかし、大変な災厄をもたらしたかといえば、そこまでは行かないだろう。皮肉にも、マニフェストに掲げられた事の多くが中途半端にしか行われなかったのが幸いしているとも言える。しかし、こと外交については、「災厄をもたらせた」に近い状態になっている事は否めない。 日本にとって、現在最も重要な外交課題は「対中関係」だろう。しかし、その為に最も重要な事は「揺るぎない日米関係」だ。にもかかわらず、民主党政権は、スムーズに運ぶ筈だった「普天間問題」をわざわざ掘り返して自分の首を絞めて、事態を「どうにもならぬ状況」まで追い込んでしまった。結果として、米国側に「抜きがたい不信感」を植え付けたのみならず、日本の生命線である「海上防衛体制」に穴をあけかねない状況まで招いてしまった。 1960年と1970年の二度にわたる安保闘争を乗り切った日米関係は、その後極めて安定して