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ブックマーク / shinju-oonuki.hatenadiary.org (19)

  • 2008-05-27

    ネットで早速、志村立美装丁、林不忘『丹下左膳』第4巻(寶雲舎、昭和24年)を購入。主人公がいないこのふやけた印象の表紙は何なんだ。読者は丹下左膳の登場を期待していたのではないのか? 丹下左膳の挿絵といえば、小田富彌(明治28年〜平成2年岡山生)を思い浮かべる人が多いと思いますが、今回購入したのは戦後発売された志村立美(1907〜1980年)が装丁・挿絵を担当したものだ。 丹下左膳は、1927年(昭和2年)10月から翌3年5月に東京日日新聞に連載された「新版大岡政談・鈴川源十郎の巻」だ。当初は関の孫六の名刀、乾雲丸・坤竜丸という大小一対の刀を巡る争奪戦に脇役的に加わった一登場人物に過ぎなかった。主人公は当然鈴川源十郎であり、もう一人の主役も諏訪栄三郎で、左膳は、道徳や秩序とは無縁の無頼漢で、濡れ燕という妖刀を片手に殺戮を繰り広げる殺人鬼・ブラック・ヒーローだ。 黒襟(くろえり)をかけ、髑髏(

    2008-05-27
    FeZn
    FeZn 2008/06/16
  • 2008-05-20

    オブジェのようにボードに枝や板、シュロの皮等を貼り込んでから、彩色します。「黒のタンゴ」ならぬ「黒のサンポ」です。 昨日のオブジェでは、「B斗」が乗っていましたが、絵にする時は、「美優Z(ミューズ)」を登場させることにしました。今後この二人が交互に登場しますのでよろしくお願いいたします。 編集記事、最後の1は、先月、春の台風の中、長野の善光寺近くにある「渋谷文泉閣」まで取材に行った時の話。内容は、「クータ・バインディング」という製。 あじろ綴や断裁無線綴などのケーシングと呼ばれる簡易製の場合は、文紙を束ねた体の背と表紙に用いる薄手のボール紙などの裏面とを、大量の糊で固めて接着するために、の開きが悪くなってしまう。 そこで、体の背と表紙の間に、何とか空洞を作れば開きがよくなるのではないか、というのがこの製を開発するポイントになる。写真はクータの模型です。写真下はクータバイ

    2008-05-20
  • 2008-02-13

    昭和13年は国家総動員法が公布された年であり、物価統制品を物資不足につけ込んで高い価格で勝手に売買する「ヤミ行為」が行われるようになったのも物品販売価格取り締まり規則が公布されたこの年からだ。昭和の初めには新聞の第一面全面を飾った映画の広告もほとんど見られなくなり、軍歌のレコードなどに押されながら小さく掲載されているのを見つけた。 翌14年にはパーマネントが禁止され、国民精神総動員の部、警視庁、東京市などなどによって「贅沢は敵だ」という標語の贅沢排撃の立て看板が立てられ、ポスターが貼られた。そんな時代的背景があり、封切られる映画もファシズム色の濃いものが上映されるようになった。こうなると遊び心たっぷりのキネマ文字も自粛せざるを得なかったのだろうか。影を潜めつつある中、やっと見つけた映画広告にもあの華麗なキネマ文字は見られなかった。 「ポパイ」が満員御礼になっているのが面白い。この数年後に

    2008-02-13
  • キネマ文字をランダムに集める - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    これはみんな大正期の映画ポスターに使われた文字です。

    キネマ文字をランダムに集める - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
  • キネマ文字の初めは……を追いかけてきたが - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    昭和の初期に、お洒落な文字として大ブームになったキネマ文字の発生を追いかけてきましたが、先月購入した「映画生誕100年博覧会」川崎市市民ミュージアム、1995年)に掲載されている ・「嵐の孤児」(1921・大正10年) ・「幌馬車」(1923年) ・「ダグラスの海賊」(1925年) ・「雀」(1926年) などが、キネマ文字の揺籃期の作品群であることが揺るがない事実だと判った。今まで、「ああ活動大写真」(朝日新聞社1976年)等で調べてきた結果ともほぼその時期は一緒であり、最初のキネマ文字を使ったポスターを特定することはできませんでしたが、今回見つけることができた「嵐の孤児」(京都工芸繊維大学工芸資料館蔵、1921・大正10年)が暫定「キネマ文字を使ったポスター第一号」ということで、決着させようと思います。 キネマ文字の発生時期を探しているうちに、それまで全く映画歴史などに興味を持ってい

    キネマ文字の初めは……を追いかけてきたが - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
    FeZn
    FeZn 2007/10/29
  • 2007-10-19

    ●今では使えない、キャッチコピー 加藤美侖『是竹は心得おくべし』(誠文堂、大正8年12月、35版) 小川菊松が「儲かって儲かって、幾ら遊んでも使いひ切れないといふ風に儲かった」(小川菊松『商戦三十年』(誠文堂新光社、昭和7年)と豪語する話題のベストセラーだけあって、さすがにすさまじい売れ行きを見せていた。 初版の発行日は大正8年2月だが、10ヶ月後の同年12月には35版を数えている。1回に何冊くらい増刷したのかは判らないが、単純計算すると売れるは1点で10万部くらい売り上げたのだろう。 価格やの作りは、発行年によって大分違っていたようで、物価がどんどん上がるので価格もどんどん高くなったという。手元にあるは定価1円二十銭だが、最初は八十五銭で始まり、「一番賣れたのは大正八年から九年にかけ、定價九十五銭の時代のことであった。」(前掲)という。 架蔵書の奥付の価格は、ゴム印で「壹圓貳拾銭」

    2007-10-19
  • 大分脱線してしまいました。 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    辻克己『図案広告資料大成』(大同出版、昭和25年)の発行人が櫻井均であり、出版社が大同出版であるということに動転し、キネマ文字のことを忘れて、大同出版にのめり込んでしまいました。おかげで、なかなか書けないでいた「の手帳」12月号の原稿「櫻井書店と大同出版」を書くことができました。発売は12月1日の予定です。 さて、横道にそれている間に面白いを見つけた。 ・カタログハウス編『大正時代の身の上相談』(カタログハウス、1994年) が、その面白いだ。といっても文章を読んだわけではない。昔の新聞広告が沢山掲載されている。さらに、それらが新聞に掲載された日付もしっかりと記載されているのが資料性を高めている。 小さな広告が沢山記載されていて、当然あの創作図案文字もブランド名や企業名として登場してくる。 ちなみに、「身の上相談」が初めて新聞に掲載されたのは、大正3(1914)年の読売新聞「よみうり

    大分脱線してしまいました。 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
    FeZn
    FeZn 2007/10/15
  • 2007-10-09

    書棚が全部、全面と後面に2段に収納し並べているせいもあって、必要なときになかなかが見つからない。 小川菊松『出版興亡五十年』(誠文堂新光社、昭和28年)も、確かに読んだ記憶があり、表紙のデザインも良く覚えているのに3日間探しても出てこないので、結局購入した。こうして、どこかにあるのは分かっていても新たに購入することが多くなった。(おもったとおり、この原稿を書き終わった瞬間に、目の高さの一番目立つところから出てきた。くやしいー。) 小川と桜井は同県(茨城県)人であり、同業者でもあり交流があったようだ。そんな小川が「通信販売外交販売あれこれ」(『出版興亡五十年』)で、桜井均の通信販売に付いて詳しく書いていたので転載する。《写真は『出版興亡五十年』より転載) 「新聞広告による通信販売で、大きな問題を起こしたのは、私と同郷の桜井均氏である。昭和七、八年のころであったか、娯楽雑誌を発行して、読者を

    2007-10-09
  • 「国際画報」表紙はタイトルも装画もモダンだ - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    表紙のタイトルばかり追いかけていて、装丁のことなどすっかり忘れていたが、 ・『国際画報』第7巻1号(大正通信社、昭和3年) ・『国際画報』第7巻3号(大正通信社、昭和3年) は装飾図案文字のタイトルも見事だが、彦坂楊亮(ようすけ)による表紙のアールデコ風の絵もいい。 目次のタイトルも手書きで表紙とは別に新たに書き直している。何でも一つ一つ手書きだった頃はそのどれもが製作者の心がこもっていていいですよね。目次のタイトルといえど疎か にせず、表紙のタイトル文字よりはやや柔かくカット風に描くなど、表現にも気を配っているのがわかる。 裏表紙(表紙4)に掲載されている「クラブ白粉」の7巻3号の広告は彦坂楊亮が描いているが、面白いのは「クラブ白粉」というロゴが1月号の文字と比べると微妙に書き換えられている。「ブ」の点や「白粉」を見るとその違いを顕著に見ることができる。毎回描いていたために、描き手の好み

    「国際画報」表紙はタイトルも装画もモダンだ - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
  • 2007-09-13

    リョービの写植書体で「行成」という書体があるが、これは味岡新太郎さんが1980年代に発表したものでリョービイマジクスの味岡新太郎かなシリーズとして発売されたもの。 この元なのかどうかはわからないが、棚の奥の方から「行成卿かな帖」(目黒書店、昭和7年、初版=昭和4年)が出てきた。 昭和4年ということで、さまざまな書体集が発売され、そんなブームに乗っての発売かとも思われる。 果たしてリョービの書体との関連性がどの程度あるかどうか? 教えていただきましてありがとうございます。思ってた以上のすごい図録でした。古いポスターもたくさん掲載されていて資料性も高く、ていねいに編集されていて大満足です。

    2007-09-13
  • 装飾図案文字がキネマ文字と呼ばれるというなら、やはりその名が付けられた昭和初期の「キネマ旬報」を見なければ - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    ということで、早速 ・「キネマ旬報」第359号(キネマ旬報社、昭和6年3月、創刊=大正8年7月) を購入。映画の掲載広告などを探してみたら、さすがにキネマ旬報ですね。「キネマ文字の宝石箱や〜。」ほんとオンパレードだ。「欧米か〜!」 大正8年に創刊したようだが、その頃のからぜ〜んぶ眺めてみたいですね。いつごろからキネマ文字が使われ始めたのかが分かるかもしれませんね。 ありがたいことに1頁の全面広告や2頁の見開き広告がたくさん掲載されており、はっきりと文字を観察することができるのはうれしい〜。 以下、表紙1、表紙4、表紙3、そして文中に掲載されていた広告の一部です。全部をお見せできないのが残念です。 昭和6年ということで、まさにキネマ文字全盛期だけあって、どのぺーじも装飾文字があふれている。この勢いでは、「装飾図案文字」が「キネマ文字」と呼ばれるのもやむを得ないことと納得した。 折り込みの

    装飾図案文字がキネマ文字と呼ばれるというなら、やはりその名が付けられた昭和初期の「キネマ旬報」を見なければ - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
  • 昭和初期の装飾文字をコレクション、集成 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    辻克己『現代図案文字大集成』(浩文社、昭和12年7版、初版=昭和9年1月)は、書体集にもかかわらず編集が面白い。 目次の項目をあげてみると ・特殊図案文字 ・いろは図案文字 ・モノグラム・マーク集 ・各流書體と活字體 ・著名商品文字 ・図案英文字集 ・映画演劇広告図案文字 とあり、さまざまな文字を集め分類し、網羅しているところが、資料性の高い労作といってもいい素晴らしいだ。 中でも「著名商品文字」「映画演劇広告図案文字」は、当時の文字の状況がよく分かり、時代の雰囲気さえ伝わってくる。 山田伸吉のパンフレットで知られる「松竹座」のロゴや山六郎が描いたといわれる「女性」「苦楽」のロゴ、河野鷹思等の表紙で知られる「蝋人形」など親しみのあるロゴが掲載されており、これらの図案装飾文字は当時からオリジナリティあふれる得意な雰囲気で人気があったに違いない。 このは戦後になってから 辻克己『新篇・増補

    昭和初期の装飾文字をコレクション、集成 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
    FeZn
    FeZn 2007/08/24
  • 『その儘使へる絵と実用図案文字』 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    表紙の文字は黄土色の地に金箔押ナノで、金箔の輝きがなくなると文字は地の色と似た色になり読めなくなってしまう。せっかくモダンなタイトル文字なのだが、画面では見えづらいのではないかと思います。 十時柳江『その儘使へる絵と実用図案文字』(弘文社、昭和2年)がこの。表紙は残念でしたが、最初のページからなかなか見事な図案文字と絵が飛び出してくる。かなり前衛美術的で絵もうまい。私が所有しているのは初版なのでどのくらい売れたのか分からないが、売れて欲しい良いだよね。 十時柳紅『その儘使へる 絵と実用図案文字』は近代文藝社から昭5年に発行されている。昭和2年に発行された弘文社版が売れなかったので版元が代わったとも考えられるが、詳細は不明。名前の「江」が「紅」に代わっているが、著者名の誤植ということは考えにくいので、或は海賊版のため、わざと一字を代えたのか? あくまでも推察でしかありません。 車、飛行船

    『その儘使へる絵と実用図案文字』 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
  • 2007-08-22

    『新版丹下左膳』の場合のキネマ文字はレトロなイメージを喚起するために用いられていたが、 今回の伴田良輔『女の都』(作品社、1992年)造=祖父江慎は、古いということだけではなく、女っぽさをも表現する文字として採用されている例だ。キネマ文字は女性を象徴する記号にも変身することができる便利な書体だ。 確かにこの曲線は女っぽいかもしれない。アールヌーボーの影響を受けているとしたらもろだよね。 女、髪の毛、昆虫等がアールヌーボーなんだから。 ・山村暮鳥『ちるちり・みちる』(洛陽堂、大正9年)装丁=小川芋銭? ・長尾豊『夏季学校お話集』(厚生閣、昭和3年)装丁者不明 大正9年に「ちるちる・みちる』の文字を制作したとしたら、結構早い時期の装飾文字といえる。それにしては良くできたデザインではないかなと思う。 なぜなら、このが発行されるより前には、「装飾図案文字』の書体集のような書物はほとんど発行され

    2007-08-22
  • 今も使われているキネマ文字 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    キネマ文字の「キネマ」とは映画、活動写真、シネマ等の意味でKINEMATOGRAPHの略語だ。 古書市や骨董市等では決まって、キネマ文字(装飾図案文字)が使われる。雑誌の特集等でもこのスタイルの文字はおおモテだ。そう、この文字を使えばだれもが懐かしがってくれて、古いものを扱っているんだなって理解してくれるからだ。写真は「AMUSE](毎日新聞社、2000年) 巨椋修『新版丹下左膳』(福昌堂、1997年)もキネマ文字をレトロを象徴する記号として、装丁家・勝木雄二氏がこののタイトルのために書いたもので、決して昔からこの文字が使われていたわけではない。デザイナーの錯覚を利用した大衆操作のテクニックだ。この新しい文字によって私達は何となく古い時代へと想像を操作させられてしまうのだ。 なんの不思議もなくこのキネマ文字が昭和初期へとタイムスリップさせてくれるが、昔の丹下左膳の単行はこのようなタイト

    今も使われているキネマ文字 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
  • 2007-08-01

    よくクオ(QUO)カードをいただく機会があり、何枚もたまる。しかし、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアで使えると書いてあるのでいざ使おうとすると、「当店では使えません」と断られてしまうことが多く困り者だった。そんなおり、ネットで「新宿・ジュンク堂」ではクオカードが使えるのを知る。 今回は、もう使うのをあきらめていたこのクオカードで購入することができ、まるで無料で購入できたかのようで何だか嬉しい。 昨日紹介した『絵を配した図案文字』と、20,000円もするので驚いてしまった『図案化せる実用文字』(杉浦非水序 大日工藝学会、大14 )が合となって復刻されたのがこの。価格も手ごろでかなりのお得感がある。 どうせなら57,750円もする超高価な『色彩図案と図案文字』(序文:杉浦非水、大和出版、昭和2年)も合に入れて欲しかった。 おかげさまで日の講演会は定員オーバーしたそうです。 満員

    2007-08-01
  • 大正昭和初期の装丁を語るなら創作文字もやらねばね - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    装丁に於ける文字の重要性はいまさら私が声を大にして叫ぶべきものではなく、当然のこととして受け入れられてきている。 しかし、創作文字と装丁の関連については、これまであまり語られることななかったのではないかと思う。 自分自身への反省も込めて、大正末から昭和初期にかけて盛んに行われた創作文字や図案文字について調べてみたくなった。 とりあえず当時発行された創作文字のを集めてみようと思い小手始めに ・藤原太一『絵を配した図案文字』(東光堂、昭和7年16版、初版は大正15年6月) を購入した。 函のタイトル文字といい、表紙の図案といい、最高ですね。大正末期から昭和初期にかけての雰囲気を見事に伝えていますね。 文中の挿絵やタイトル文字も身震いするほどにいい雰囲気がある。著者の藤原太一似ついてはこの洪以外は何も情報がないが、かなり活躍したデザイナーなのではないだろうか。 ネットで検索すると ・『図案化

  • 創元社版『機械』の異装本? - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    ●創元社版『機械』(昭和10年3月15日、初版)異装? を入手 昨日までは林哲夫さんのHP『佐野繁次郎の装幀』に掲載されている創元社版『機械』再版の話をしてきましたが、今日私の手元に届いた創元社版『機械』初版と同じ装丁なので驚いた。 つまり、こういうことだ、私のところには初版が2冊揃ったことになるが、この2冊は来同じジャケットのはずなのに、写真のようになぜかそれぞれ異なっているのだ。後から届いた『機械』(B)は初版であるのもかかわらず、ジャケットだけは林さんのところでは再版とされている『機械』(C)と同じジャケットなのだ。 単純には、初めから手元にある初版の『機械』(A)が、売れなかったのか書店から版元へ返されてきて、再度市場に流通させるときに、奥付は初版のままで、再版用に新たに書き変え用意されていたジャケット(B)に掛け替えて流通させたものと思われる。 「の手帳」2号に掲載されて

    創元社版『機械』の異装本? - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
    FeZn
    FeZn 2007/03/01
  • 文芸作品とともに進化する装丁 その1 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

    ──『機械』の装丁から『時計』の装丁まで── 先週、高円寺古書市で、横光利一『機械』(白水社、昭和6年4月10日発行、初版)を500円で購入した。函付きでこの価格は、かなりの掘り出し物ではないかと思って喜んでいる。 帰宅してから、もう1冊の横光利一『機械』(創元社、昭和10年3月15日発行、初版)とを並べて眺めてみた。 発行日には約4年間の時間の差があるが、同じ内容のこの2冊のの間に発見できる外見上の違いはたくさんありすぎて、むしろ共通点がない、といったほうが2冊の間にあるであろう特徴を一言で済ますことができる。 例えば、白水社版は菊判函入り糸かがり上製であるが、創元社は四六判並製中綴ジャケット付き、前者は表紙も箱も4色刷で装画付きであるが、後者は表紙もジャケットも1色刷で装画なしである。同様に表紙のタイトル文字はフリーハンドの手書きで著者名も出版社名も同様にフリーハンドで書かれてい

    文芸作品とともに進化する装丁 その1 - 装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
    FeZn
    FeZn 2007/02/17
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