石井正則(いしい・まさのり)さん(47) 国内13カ所の国立ハンセン病療養所の風景と元患者らの詩を収めた写真集「13 サーティーン ハンセン病療養所からの言葉」(トランスビュー)を3月末に刊行した。写真が趣味でアナログ大判カメラを愛用する。約8年前に偶然、療養所のドキュメンタリー番組を見た。ハンセン病についてほとんど知らなかったが「自分の中に生まれた小さい種を大切に育てなければいけない気がした」という。 2016年7月、初めて東京都東村山市の「多磨全生園」を訪れた。以来、仕事の合間にカメラと三脚を担ぎ全国の療養所を巡った。毎回、園内の納骨堂に花を供え、併設の資料館を見て回った。「その場所にある記憶をフィルムに焼き付けるような感覚だった」