前編と同様に、のっけから断言しておきたい。『バイオショック インフィニット』は、2013年の洋ゲーシーンに燦然と輝く大傑作であることを! それも単に「面白い」というだけではない。ゲームを起動してから問答無用で引き込まれる深いドラマ性や、ゲームデザインの巧みさ、シナリオのうまさ、そして本作のテーマである人間の「業」に踏み込んだ勇気に対して、惜しみない賞賛とリスペクトを捧げたい。それでは、後編の本題であるゲームのインプレッションに入ろう。 ゲームそのものは、皆さんもご存知の通りFPSを主軸としたアクション・アドベンチャーである。 舞台 となる時代は1910年。本作の主人公ブッカー・デュイットは、1900年代初頭においてニューヨーク市に実在した有名な興信所“ピンカートン探偵社” のエージェントだ。 彼の受難の旅は、正体不明の人物から受けた「ニューヨーク湾沖の大西洋上にあるとされる謎の天空都市