外国人向けの啓発チラシの漫画を描いた山崎直樹さん=千葉市中央区で2023年7月4日午後3時55分、林帆南撮影 「まじめに働いていればこんなことにならなかったのに」と涙する外国人男性――。そんな様子を描いた漫画が掲載されているのは雑誌ではなく、千葉県警の防犯用チラシだ。作者はプロデビューを果たしながら挫折し、漫画家の道を諦めた警察官。犯罪に巻き込まれる人を減らそうと、一度置いたペンを再び握った。 トントン拍子で入賞、膨らんだ夢 漫画を手掛けたのは県警成田署警務課巡査部長の山崎直樹さん(42)。警察官になるまではプロとして活躍する夢を追いかける漫画家の卵だった。 茨城県出身。地元の高校を卒業後、アパレル業界に憧れて上京した。服飾関連の専門学校で勉強を重ねる中で「これが自分のやりたいことなのか」と違和感を感じるように。服飾でデザインを作成する際、絵を描くことが楽しかったことから、20歳の時に「自