文:篠原諄也 瀬尾一樹(せお・かずき) 1994年、埼玉県生まれ。樹木医・インタープリターとして、都内を中心に自然の魅力を発信する活動をしている。街中に生える路傍雑草とよばれる植物や、木が備え持つ、自身の体を支える仕組みに興奮する。(プロフィール画像は落合恵さんのイラスト) 雑草の不安定でスリリングな生き様 ――街のスキマ植物の魅力とは? どこにでも生えているけれど、奥が深いところです。植物園や高山に行ったら、世界でそこにしかいない珍しい植物が見られる。でも街の植物はどこでも見られるからこそ、何回も出会ってその度に新しい発見があります。見慣れたいつもの景色が、新しいものに塗り変わっていくんです。 マツバウンラン、チチコグサモドキ、ハハコグサ、トキワハゼ...。ほんの小さな一画にも植物の多様な「宇宙」が広がっている ――どんな新しい発見があるのでしょう? 同じ植物なのに見た目が全然違うことが