【ワシントン=白川義和】11日付の米紙ワシントン・タイムズは、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(死去)が外国人拉致を指令していたことが、「西側情報筋」が入手した北朝鮮の内部文書で明らかになったと報じた。 同紙が入手した同文書の一部翻訳によると、1977年9月29日と10月7日、金総書記(当時は書記)が朝鮮労働党の工作機関「対外情報調査部」の幹部らに、外国人拉致計画を説明した。20代の外国人を拉致し、北朝鮮で5~7年、スパイ養成訓練を行う計画で、東南アジアや中東、東欧への拉致のための工作員派遣を命じたという。 北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんは77年11月に新潟市で拉致された。文書は、金総書記の言葉を記録に残す機密資料として最近数年間に作られたとみられるという。 金総書記による拉致指令は、韓国情報機関の捜査などでも明らかになっている。金総書記は2002年、小泉首相(当時)との会談