自民党の安倍晋三前首相が精力的だ。党所属国会議員のパーティーに駆け付けたり、会合に顔を出して思い出話に花を咲かせたりしている。今月初めには首相退任後初めて地元・山口県入りし、支援者らに報告をした。 持病の潰瘍性大腸炎の新しい治療法が効いており、重責から解放されたことが大きいようだ。安倍氏の出身派閥である党内最大勢力の細田派(清和政策研究会)内には、令和3年に派閥への復帰を期待する声が強い。復帰となれば、安倍氏はキングメーカーとして大きな力を持つ。 菅義偉(すが・よしひで)首相はもちろん、党総裁・首相を目指す政治家は安倍氏に目配せする必要があるだろう。首相経験者は多くの場合で政局の中心になっていたからだ。 平成19年9月、安倍氏の首相辞任後の自民党総裁選。当初は麻生太郎氏が先行していたが、森喜朗元首相が主導して福田康夫氏を支持することで主要派閥をまとめ上げ「麻生包囲網」を完成させた。 民主党