新型コロナウイルスの感染拡大で大規模イベントの中止や延期が相次ぐなか、日本高校野球連盟は選抜高校野球大会の中止を決めた。 極めて残念である。過度の自粛ムードは歓迎しない。「独自の判断」を強調してきた高野連には感染の拡大防止に手を尽くして無観客開催を選択し、停滞する社会の雰囲気を変える一助となってほしかった。 政府は全国の小中学校や高校に休校を要請してきた。安倍晋三首相は10日、大規模イベントなどの自粛要請について、19日頃までの継続を求めていた。全国高校体育連盟に加盟する各競技団体は3月に実施予定だった全ての選抜大会の中止を決定していた。 自粛への有形無形の圧力は強まっていた。高野連は「選手の健康の安全が第一という教育者としての苦渋の決断」と説明した。十分に理解できる。 開催を強行すれば「なぜ野球だけが」との強い反発も容易に予想できた。だが高野連には、野球の競技特性も鑑みた「独自の判断」へ