<澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士> 私が諸君の民主々義の教師、石原慎太郎だ。諸君は、よくぞ私を4回にもわたって都知事に選任した。この間なんと13年6か月。それには礼を言わねばならない。おかげで面白くやらせてもらった。しかし、敢えて言おう。そのことは諸君が愚昧であることの証明にほかならない。 最初の選挙での後出しジャンケン、あのときの私の第一声を憶えておいでか。「裕次郎の兄です」というあの出馬宣言。あれで当選した。 その後は、差別発言、豪華出張旅行、無駄遣い、身内の優遇、日の丸・君が代強制、新銀行東京…と、好き放題にやらせてもらった。なんてったって、都民が私を選び、都民が私のすることを黙認したのだ。責任は私にではなく、都民諸君にある。 何をやっても、やらなくても、石原軍団みたいなサポーターと愚昧な都民が、私を持ち上げ、押し上げ続けてくれた。文句を言わない、甘い有権者ばかりで、ホン
猪瀬直樹前知事の辞職に伴う東京都知事選が、二十三日に告示される。二月九日の投開票に向けて十七日間の論戦が始まるが、争点の「脱原発」や都民の暮らし、東京の街づくりについて、具体的な政策を明らかにしない陣営が続出している。手の内を明かさない戦略で、有権者に判断材料を示さない異常事態になっている。 立候補の意向を示しているのはいずれも新人で、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)=共産、社民推薦、元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)、元厚生労働相の舛添要一氏(65)、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)ら。二十一日までに十一人が立候補の事前審査を終えた。今回は主要候補者の公約が見えづらいのが特徴だ。二十四日から期日前投票が始まるが主要候補の討論会も実現しなかった。 詳しい政策集の発表は宇都宮氏だけ。「正々堂々と政策論争したい」と語っていた舛添氏は二〇二〇年五輪などの五本柱、「雇
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