今年の夏の甲子園でおにぎりを2万個も握った高校野球部の女子マネジャーが話題になりました。部員の体力強化のためにコース替えまでしておにぎり作りに専念したと、スポーツ紙などで取り上げられました▼ネット上では賛否をめぐって大論争。性差別や教育の観点からも論じられ、社会問題にひろがりました。個人攻撃は論外ですが、女子マネジャーの献身ぶりを強調した美談扱いが、いかに偏っていたか。物議の大きさが示しています▼こちらも、美談では済まされないでしょう。同じ高校野球の全国軟式大会準決勝。4日間をかけて延長50回をたたかった両チームの投手が一人で投げ抜いたのです。しかも勝ったチームの投手は直後に行われた決勝でも中盤から登板。計786球を投げ続けました▼気迫、志願の続投、最後まで投げ切った―。大会を後援する「朝日」や「毎日」をはじめ、それをたたえるマスメディア。肩や肘、腰への負担。くり返されてきた投手の酷使など