【ジュネーブ=共同】職場でのセクハラや暴力をなくすための国際基準策定を目指す国際労働機関(ILO)の委員会の議論で、日本政府の消極姿勢が目立っている。セクハラを禁止する国内法が未整備な状態では国際基準への対処が難しいのが理由とみられるが、前財務事務次官のセクハラ問題などが影響していると指摘する声もある。 各国の政府、労働者、使用者の代表が参加する委員会の議論では、拘束力を持つ条約を望む労働者側と、勧告にとどめようとする使用者側が対立。欧州諸国などが条約制定を強く訴える中、日本政府は「勧告が望ましい」との態度を崩さず、ILOのまとめた基準案の内容を弱めるような修正案を相次いで提出するなど「使用者側寄りとみられても仕方がない」(外交筋)との指摘もある。 また前財務事務次官のセクハラ問題を巡る政府の対応との関係を指摘する意見もある。政府は「現行法令でセクハラ罪という罪は存在しない」とする答弁書を