ISBN: 9784130203142 発売⽇: 2023/09/01 サイズ: 22cm/274,28,6p 「盧溝橋事件から日中戦争へ」 [著]岩谷將 1937年の盧溝橋事件は、発砲事件として始まった。では、なぜそこから戦火が拡大し、日中戦争に至ったのか。これまで、日本が侵略に踏み切った理由については多くの考察があるが、中国が早めに停戦に持ち込まなかった理由は謎だった。一見、侵略に抵抗するのは当然だが、蔣介石政権にとってはそうではない。日本との全面戦争による国民党の消耗は、戦後の内戦で共産党に敗北する原因となった。本書は、この問題に中国側の史料から接近し、日本側から見るのとは異なる形で戦争への道を描く。 まず事件当初、現地の北平(現・北京)では日中双方とも穏便な事件の処理を目指し、交渉を開始した。だが、中国側の指揮官がいくら停戦を命じても、対日感情の悪化した前線部隊が新たな衝突を起こし