新型コロナウイルスの感染拡大が社会に与えた影響は甚大で、この数ヶ月だけでも、多くの人が生活の変化を余儀なくされ、また先の見通しの立たない状況に置かれている。その多くはネガティブな変化であり、一日も早く「もとの日常」が還ってくることを期待する人は多い。もちろん、そんなことはありえない、私たちは「新しい生活様式」なるものに慣れ、ウイルスと共存していくほかないのだという人もいる。 その一方で、そうしたニューノーマルの中でも、むしろ普及や定着を期待されることもある。それがリモートワークを導入した働き方だ。リモートワークには、従業員のワークライフバランスや業務全体の効率化などのメリットがあるとされており、コロナ・ショックがもたらした数少ない「よい変化」のように思われる。 しかしながら社会学的には、リモートワークがもたらす「望ましさ」には、手放しで肯定できない面もある。というのも社会学は、人々が社会的