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bookとsocietyに関するdazedのブックマーク (67)

  • カトリック教会が「開かれた社会」を生んだ : 池田信夫 blog

    2024年05月08日16:34 カテゴリ カトリック教会が「開かれた社会」を生んだ ヨーロッパが開かれた社会で、それが近代化の原動力だったという話はよくあるが、その原因ははっきりしない。この言葉を初めて使ったベルクソンも、古代にはヨーロッパも「閉じた社会」だったという。それが開かれた社会になった分岐点は何か。 これはヨーロッパがアジアに対して優位になったのはなぜかという大分岐の問題として多くの仮説が提案されてきた。そのほとんどは16世紀以降の資主義や植民地支配や宗教改革に関連するものだが、書はそれとはまったく異なる大胆な仮説を提唱する。 それはローマ・カトリック教会(西方教会)の決めた外婚制(イトコ婚を禁じる)がヨーロッパのWEIRD(Western, Educated, Industrialized, Rich and Democratic)な人々を生んだという仮説である。著者の

    カトリック教会が「開かれた社会」を生んだ : 池田信夫 blog
  • リアル書店や個人ブログの「撤退戦」のゆくえ - いつか電池がきれるまで

    www.wasteofpops.com togetter.com www.itmedia.co.jp 書店がさらに減ってきています。 上記3つの3番目の記事には、こう書かれているのです。 2022年の日の総書店数は1万1495店舗で、2003年時点では2万880店だった。約20年間でほぼ半減した形だ。 20年前か……思い返してみると、僕がまだ学生だった30年前には、夜に時間を持て余したら郊外のビデオレンタル店や書店、ゲームショップに入り浸っていた記憶があります。 あの頃行っていた店のほとんどは、今はもう存在していないので「書店が半減している!」と言われても、むしろ、「半減くらいで済んでいるのか、都会では案外閉店していないのかな」とも感じるくらいです。 そういえば、当時(30年前くらい)はレンタルビデオ店併設の郊外型書店がたくさんできて、商店街の古くからの家族経営の書店がどんどん潰れていた

    リアル書店や個人ブログの「撤退戦」のゆくえ - いつか電池がきれるまで
  • 『東京ミドル期シングルの衝撃』(宮本みち子、大江守之編著、東洋経済新報社) - 内田樹の研究室

    東洋経済新報社の渡辺さんから新刊の書評を頼まれたので少し長い紹介を書いた。タイトルはやや挑発的だけれど、人口動態と地域コミュニティ形成についての手堅い研究である。でも、ほんとうに衝撃的なのは、こういう研究にごく最近まで誰も見向きもしかなったという事実の方なのである。 人口減問題について語る人たちの多くはマンパワーの不足やマーケットのシュリンクや年金や医療制度の持続可能性について話すけれど、ほんとうにシリアスなのは「高齢期に入って社会的に孤立化したシングルのアンダークラス化」にある。書はそのタブーを正面から取り上げた例外的な仕事である。 「アンダークラス」というのは「ワーキングクラス」のさらに下に位置する、生活保護なしでは暮らしていけない最貧困層のことである。差別と排除の対象となり、社会の底辺に吹き溜まる閉鎖集団である。 日でもこれから「高齢者アンダークラス」が大量出現する可能性がある。

  • 【読書感想】嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する (光文社新書 1297) 作者:山 圭光文社Amazon Kindle版もあります。 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~ (光文社新書) 作者:山 圭光文社Amazon 嫉妬感情にまつわる物語には事欠かない。古典から現代劇まで、あるいは子どものおとぎ話から落語まで、この感情は人間のおろかさと不合理を演出し、物語に一筋縄ではいかない深みを与えることで、登場人物にとっても思わぬ方向へと彼らを誘う。それにしても、私たちはなぜこうも嫉妬に狂うのだろう。この情念は嫉妬の相手のみならず、嫉妬者自身をも破滅させるというのに――。(「プロローグ」より)政治思想の観点から考察。 僕自身、SNSをみていて、他人の幸運に対して素直に祝福できない気持ちになったり、誰かに「結婚して子どもがいるだけでも勝ち組」とか言及されて、「そんなに簡単なものじゃないんだよ……」と

    【読書感想】嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
  • [書評] 遺伝と平等 (キャスリン・ベイジ・ハーデン著、青木薫訳): 極東ブログ

    「こののテーマ、つまり、遺伝と平等、にご関心があるでしょ?」と問われた。そのとおりである。貪るように読んだ。書は、科学啓蒙書の翻訳に定評ある青木薫さんの正確で読みやすい訳文であるのだが、内容自体はやや難しく、率直なところ、どちらかというと読みづらかった。でも、これはなるほど、今読まなければならないなのだ、ということはわかった。 書の基的な主張は、2つあるだろう。ごく割り切って言うなら、1つは、平等社会を求めるリベラル派は遺伝子学の知見を優生学として嫌いその達成を認めない傾向があるが、それは誤りであり、平等社会を求めるなら、「遺伝子くじ」ともいえる生まれつきの運不運の存在を認め、その上でこれに科学的な遺伝子学の知見によって向き合わなけれならないということ。2つめは、遺伝子学として語られる内容が単純化されると、実質的には優生学のような謬見に陥りやすいということだ。 このため、書では

  • ウクライナ侵攻はキーウのビジネスをどう変えた?玩具、癒し、教育に好機も 日本で博士号を取得した研究者が描いた戦時下の生活 | JBpress (ジェイビープレス)

    ウクライナ侵攻後、ゼレンスキー大統領のファッションをまねたミリタリー系のアパレル商品を販売するビジネスが増えた(写真:AP/アフロ) ロシアウクライナに侵攻してから1年半近くになる。多くのウクライナ人が「ディアスポラ(移民)」となり国外で避難民として生活している。キーウに生まれ育ち、日で博士号を取得した作家・ジャーナリストで研究者のオリガ・ホメンコ氏もその一人だ。このほど、ロシアが侵攻した「2月24日」を境に一変したウクライナ人の生活をまとめたエッセイ集『キーウの遠い空 戦争の中のウクライナ人』(中央公論新社)を上梓した。ホメンコ氏は、戦争の中のウクライナ人の生活をどう見たか。書から、戦時下でビジネスはどう変化したかを描いた節を抜粋して紹介する。(JBpress) 戦時下のさまざまなビジネス 戦争のときも衣住は必要だ。高齢者や子どもの世話も必要だから、そのためにはお金を稼がないとい

    ウクライナ侵攻はキーウのビジネスをどう変えた?玩具、癒し、教育に好機も 日本で博士号を取得した研究者が描いた戦時下の生活 | JBpress (ジェイビープレス)
    dazed
    dazed 2023/08/02
    『キーウの遠い空 戦争の中のウクライナ人』(中央公論新社)からの抜粋記事。著者のオリガ・ホメンコさんはウクライナ人なのだけど日本語を学んで歴30年とのことで、とても読みやすい文章だった。内容も興味深い。
  • 朴沙羅「誰がこんな仕組みを作ってしまったのか」――李英美著『出入国管理の社会史』書評

    2023年6月9日、出入国管理及び難民認定法の改正案が参議院会議で可決された。この改正案は在留特別許可申請手続の新設、被収容者の処遇に関する手続規定の整備、収容に代わる監理措置制度の創設、難民申請者に対する送還停止の効力の一部解除、難民に準じた者の補完的保護制度の創設、送還に応じなかった者に対する刑事罰を含む退去命令制度の創設などの内容を含んでおり、移住者と連帯する全国ネットワークや日弁護士会といった団体や個々人が、全国各地で反対を表明していた。 誰がこんな仕組みを作ってしまったのだろう。なぜこの法が成立することを、私たちは止められなかったのだろう。そのような疑問に突き動かされた人に、私は書を強く勧める。 書は、「第二次世界大戦後の冷戦と脱植民地化という国際環境のもとで形成された日の出入国管理政策が、とりわけ地域社会においてどのようなかたちで執行され、国民・国籍・人の移動をめぐる

    朴沙羅「誰がこんな仕組みを作ってしまったのか」――李英美著『出入国管理の社会史』書評
  • 坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』 - 紙屋研究所

    貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日社会を救う』(講談社新書)はなかなか刺激的なである。政治的に見れば日の高齢者政策の根的な問題点を指摘したくなることもあるが、そうした「大きな視点」をひとまず脇において、読んでみる。 ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日社会を救う (講談社現代新書) 作者:坂貴志 講談社 Amazon サブタイトルで大体言いたいことの質を言っているとは思うが、坂によれば、政府統計では、リタイア年齢である65歳から69歳までの世帯(2人以上)定年後の月収は年金を中心に25万円。他方で支出額は32.1万円。7〜8万円の収支差がある。 逆に言えば、月10万円稼げる仕事があれば、貯金の有無にかかわらず、「余裕のある」生活ができるということになる。 十分な年金を保障せず、年老いても働かせる社会が「地獄絵図」という批判は承知しているし、ぼくもそう思うところは

    坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』 - 紙屋研究所
  • アメリカはディストピアで、日本はユートピアなのか – 橘玲 公式BLOG

    ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2020年9月1日公開の「「アメリカはディストピア、日はユートピア」 経済格差の大きい欧米社会の驚くべき状況」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** 新型コロナの影響を受けて、世界的に経済格差がさらに拡大するのではないかと危惧されている。アメリカ社会を揺るがしている一連の抗議行動も、黒人への「人種差別」に反対するだけではなく、その底流には自分たちの未来に対する不安や絶望があるのではないだろうか。 今回は、そんな「格差社会」を論じたを紹介

  • 『「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』書評 - 内田樹の研究室

    『「意識高い系」資主義が民主主義を滅ぼす』(カール・ローズ、庭田よう子訳、東洋経済新報社、2023年)の書評を東洋経済オンラインに寄稿した。 「ウォーク資主義(woke capitalism)」とは聴き慣れない言葉である。書はこの「聴き慣れない言葉」の意味をていねいに教えてくれる。でも、説明されても「ああ、『あのこと』ね」とぽんと膝を打つという人はあまりいないと思う。woke capitalism は日にはまだ存在しないからである。 woke はwake (起こす、目覚めさせる)という他動詞の過去分詞である。「目覚めさせられた」という意味だが、60年代からアフリカアメリカ人の間では「人種的・社会的差別や不公平に対して高い意識を持つこと」という独特の含意を持つようになった。そういう意味で半世紀ほど使われたあとに、意味が逆転した。 意味を逆転させたのは「政治的に反動的な信念を抱く人々

  • もううんざり! 競争社会から降り始めた現代のディオゲネスたち(木澤 佐登志)

    私たちはなぜ有用な人間であることを証明しつづけなければならないのか? 「生産性」という病に取り憑かれた社会を解剖し、解毒剤を練り上げる、気鋭の著者による待望の新連載! 第1回は、寝そべり主義、#最後の世代、ゴブリンモード、大量離職、サイレントテロなど、生産性のロジックを基盤とした苛烈な競争社会に対して静かなる抵抗を始めた、「現代のディオゲネスたち」を追う。 (毎月1日頃更新) 寝そべることで見えてくる世界の真実 ふたつの記事からはじめたい。 ひとつ目は、『ダイアモンドオンライン』に掲載された「中国の過酷な受験戦争を勝ち抜いた若者が「寝そべり族」になってしまう理由」という二〇二一年七月の記事。 経済の急速な発展による社会競争の激化。格差のとどまることを知らない拡大。壮絶さを極める過酷な受験戦争。そんな厳しい競争社会である中国、そこで生きる若者たちがいま、静かに競争から降りようとしているのだと

    もううんざり! 競争社会から降り始めた現代のディオゲネスたち(木澤 佐登志)
  • 【読書感想】歩きながら考える ☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    歩きながら考える (中公新書ラクレ 773) 作者:ヤマザキマリ中央公論新社Amazon Kindle版もあります。 歩きながら考える (中公新書ラクレ) 作者:ヤマザキマリ中央公論新社Amazon さあ、新しい場所へ! パンデミック下、日に長期滞在することになった「旅する漫画家」ヤマザキマリ。思いがけなく移動の自由を奪われた日々の中で思索を重ね、様々な気づきや発見があった。「日らしさ」とは何か? 倫理の異なる集団同士の争いを回避するためには? そして私たちは、この先行き不透明な世界をどう生きていけば良いのか? 自分の頭で考えるための知恵とユーモアがつまった1冊。たちどまったままではいられない。新たな歩みを始めよう! 新型コロナウイルスのパンデミック(人獣共通感染症(伝染病)の世界的な大流行)がはじまって、3年近くが経とうとしています。 世界保健機構(WHO)がパンデミックの認定を発表

    【読書感想】歩きながら考える ☆☆☆ - 琥珀色の戯言
  • 勝ち組にしか未来のない人生100年社会は、個人より社会が間違っているんじゃないの?

    「私たちはどう年を取るのが望ましいか?」 いつの時代にもこうした問いはあっただろうし、私もずっと問い続けている。 これからの世の中、どう年を取っていけばいいのかわかった気がしない。 そうしたなか、最近、気になるに出会った。それを紹介しながら、高度な資主義と高度な高齢化社会の組み合わせについて書いてみる。 100年時代の人生戦略を語った『ライフシフト』 まず、を紹介しよう。 今回出会ったはリンダ・グラットン/アンドリュー・スコットという二人のロンドンビジネススクール教授が著した『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』というだ。 書はまず、従来までのエイジングを教育のステージ・仕事のステージ・引退のステージの3ステージ構成とみなし、それが時代遅れになっていると指摘する。 確かに。寿命が延びて就労期間も延びたのだから、若い頃に教育を受けたきり何も学ばなければ、働き口は狭くなり

    勝ち組にしか未来のない人生100年社会は、個人より社会が間違っているんじゃないの?
  • 【読書感想】日本人の承認欲求―テレワークがさらした深層― ☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    人の承認欲求 (新潮新書) 作者:太田 肇新潮社Amazon Kindle版もあります。 日人の承認欲求―テレワークがさらした深層―(新潮新書) 作者:太田肇新潮社Amazon 苦手な上司も、厄介な部下も、根っこは同じ!? ムダな出社を命じられる、在宅勤務なのに疲れる、新人が職場に馴染まない。 コロナの感染拡大が落ち着くと、多くの企業は瞬く間に出社へと切り替えた。 日でリモート改革が進まない原因は、閉ざされた組織に巣くう特異な「承認欲求」にある。 誰もが持つ認められたい気持ちをコントロールし、満たされるにはどうすればいいのか―― 組織研究の第一人者が、日的「見せびらかし」文化の挫折と希望を解き明かす。 こののタイトルをみて、正直、また「承認欲求」かよ……と思いました。 最近は、人間の行動をなんでもかんでも「ハイ、承認欲求ね」みたいな感じで「解説」している、ただの「便利ワード」に

    【読書感想】日本人の承認欲求―テレワークがさらした深層― ☆☆☆ - 琥珀色の戯言
  • 【読書感想】過剰可視化社会 「見えすぎる」時代をどう生きるか ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    過剰可視化社会 「見えすぎる」時代をどう生きるか (PHP新書) 作者:與那覇 潤PHP研究所Amazon Kindle版もあります。 過剰可視化社会 「見えすぎる」時代をどう生きるか (PHP新書) 作者:與那覇 潤PHP研究所Amazon 目に見えないウイルスの感染者数が日々「可視化」されたコロナ禍の2年間の後に残ったのは、一人では安心感を得られず、周囲にも疑いの目を向けあう日人の姿だった。SNSで自らプライバシーを発信し、政治信条や病気・障害までを社会の視線に公開しても、最後は安易なルッキズム(見た目偏重)ばかりが横行する「すべてが見えてしまう社会」を、どう生き抜くのか? 歴史学者から評論家に転じた著者が、臨床心理士の東畑開人氏、哲学者/作家の千葉雅也氏、文化人類学者の磯野真穂氏と白熱した議論を交わしつつ、人文学の方法論の壁を超えて「見えない信頼」を取り戻す方法を提言する! インタ

    【読書感想】過剰可視化社会 「見えすぎる」時代をどう生きるか ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
  • 「秋葉原で無差別殺傷した死刑囚の元同僚です」大友秀逸さんがそう名乗ってツイッターを続ける理由 「人を殺したい」という内容のメールが定期的に届く

    プロフィール欄に「秋葉原事件加藤智大の元同僚で友人です」と書かれたTwitterのアカウントがある。アカウントの所有者である大友秀逸さんは、仙台市の警備会社で加藤智大死刑囚と一緒に働いた経験がある。「実名・顔出し」で情報発信をしており、このため何度もメディアの取材を受けてきた。なぜそんなリスクを引き受けているのか。無差別殺傷事件を取材している写真家・ノンフィクションライターのインベカヲリ★さんが聞いた――。(第1回) ※稿は、インベカヲリ★『「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。 「『人を殺したい』という内容のメールが来るんです」 こんなツイッターアカウントがある。 「秋葉原事件加藤智大の元同僚で友人です。どなたでもご意見や質問などございましたら自由に書き込んでください」 「秋葉原無差別殺傷事件」が起きたのは、2008年

    「秋葉原で無差別殺傷した死刑囚の元同僚です」大友秀逸さんがそう名乗ってツイッターを続ける理由 「人を殺したい」という内容のメールが定期的に届く
    dazed
    dazed 2022/06/04
    “※本稿は、インベカヲリ★『「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです”
  • 「突破者」宮崎学が絶対に譲らなかった矜持と生涯

    1984年に江崎グリコ社長が何者かに誘拐されたことをきっかけに、品会社を標的とする脅迫事件が相次いだ。いわゆるグリコ・森永事件である。容疑者はその風貌から「キツネ目の男」と呼ばれた。この「キツネ目の男」ではないかと疑われていたのが、宮崎学氏である。 宮崎氏は自らの半生を振り返った『突破者』(南風社、のちに幻冬舎アウトロー文庫、新潮文庫)で作家デビューすると、一躍論壇の寵児となり、次々に作品を世に放ってきた。体調を崩してからも創作意欲は衰えなかったが、残念ながら昨年刊行した『突破者の遺言』(K&Kプレス)が遺作となった。 忘れられない一節 宮崎学氏ほど差別を憎み、差別と戦った人はいない。氏の訃報に接し、その思いを改めて強くしている。 忘れられない一節がある。宮崎氏がデビュー作『突破者』につづった、上田という人物との思い出だ。 上田は宮崎氏の実家・寺村組の行儀見習いの住み込み若衆で、当時はま

    「突破者」宮崎学が絶対に譲らなかった矜持と生涯
  • 激動の時代は「一貫性のない人」が歓迎されるワケ、名著『世論』を読む

    リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。 著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。 名著で読み解く新常態 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、大きく変わりつつある「常識」。歴史的名著や確立した理論をもとに現状を解釈

    激動の時代は「一貫性のない人」が歓迎されるワケ、名著『世論』を読む
  • 私「障害があるといじめられやすいんだよね」→子「そう、知的障害があると13.3倍虐待されやすいんだよ」→私「ソースは?」 - 斗比主閲子の姑日記

    n=1です。 我が家には子どもの手の届く範囲に大量のが置いてあります。子どもが読んでもいいし、読まなくもいいし、別に推奨も強制もしてません。ただ、子どもの能力・興味を考慮して置いているもあるので、比較的高確率(10%程度)で、手にとってくれています。 詳しく知りたい人は次の記事をどうぞ。 我が家の子どもたち全員が読書家になったプロセス・環境は、割と一般的な方法論に則っていたっぽい - 斗比主閲子の姑日記 それで、先日は次のを置いていたら、子どもが読み込んでました。 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日のリアル〉 作者:石井光太 日実業出版社 Amazon 読めないこともないけど、ちょっとギリギリかなと思っていたので、330ページを2日ぐらいで読み切っていたことに少し驚きました。 私から「どんな内容だったの? これから読むからネタバレありでいいから教えて」って聞いたところ、子ども

    私「障害があるといじめられやすいんだよね」→子「そう、知的障害があると13.3倍虐待されやすいんだよ」→私「ソースは?」 - 斗比主閲子の姑日記
  • なぜアナーキーは成立しないんだぜ? 栗原康『何ものにも縛られないための政治学 権力の脱構成』を読む - 関内関外日記

    何ものにも縛られないための政治学 権力の脱構成 (角川書店単行) 作者:栗原 康 KADOKAWA Amazon 「はじめに」にだいたい重要なことは書いてある 権力はいまやこの世界のインフラのうちに存在する。 ―不可視委員会 ぎゃあ、そうだったのか、おれたち、インフラの奴隷になっていたのか。なんでこうなっちまったんだ。 「民主主義とは、ありとあらゆる国家形態にとっての真理である」と書きしるしたマルクスはまちがっていた。民主主義とは、ありとあらゆる統治形態にとっての真理なのである。 ―不可視委員会 うわあ、いいこと言ってるような気がするぜ! って、不可視委員会ってなんだ? 図書館にないぜ。ないから読めないぜ。でも、栗原康ってだれだ? 今まで何冊も読んできたが、いまいちわからんぜ。わからんけど、アナーキーだ。お行儀のいいアナキストじゃないのはわかる。今だ、今、やるなら今しかねえ、今以外にねえ

    なぜアナーキーは成立しないんだぜ? 栗原康『何ものにも縛られないための政治学 権力の脱構成』を読む - 関内関外日記