経営難の銚子電鉄を守るヒーロー「銚電神(ちょうでんしん)ゴーガッシャー」が誕生した。地方の鉄道会社が“ヒーロー”をつくるのは「初めてではないか」(同社)という。 ゴーガッシャーは、同社の竹本勝紀社長が「銚電が親子で楽しんでもらえるよう、電車のヒーローを作りたい」と発案。同社のグリーンの電車をモチーフに胸には銚電のエンブレムを掲げている。未知の生命体が地球に不時着し、電車と融合し誕生したが、普段は同社の社員という設定。エネルギー源は銚電名物のぬれ煎餅(せんべい)。鉄道会社に勤めているため時間にはうるさいという。沿線の犬吠駅前広場で行われたお披露目イベントでは、華麗なアクションを披露し、親子連れや鉄道ファンが大きな拍手を送った。 銚子電鉄は今月十一日にあった脱線事故から二十六日に運行を再開したばかり。経営難に陥っている同社を救うヒーローとなれるか。 (砂上麻子)(東京新聞)
国会の荒涼たる風景に怒りを禁じ得ない。国民の代表である「国権の最高機関」で、民意が踏みにじられる異常さ。取り戻すべきは、民主主義である。 いったい、この臨時国会は何だったのか。召集日の十月十五日を振り返る。安倍晋三首相は、所信表明演説で「この国会は、成長戦略の『実行』が問われる国会です」と強調していた。
機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案が七日、衆院本会議で審議入りした。漏えいなどの場合に最高懲役十年の対象になる「特定秘密」が政府の一存で指定され、意のままに広がっていく恐れがある。政府は「特定秘密の範囲は限定している」と説明するが、条文にちりばめられた三十六の「その他」の文字が、特定秘密の範囲を無限に広げる根拠となる懸念をはらんでいる。 (金杉貴雄) 法案は二十六の条文と付則、別表などで構成されている。まんべんなく使われている「その他」の中でも、政府が特定秘密の対象を「限定列挙した」と説明する別表で十一カ所も登場するのが目を引く。 別表は特定秘密の対象を(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動(スパイ活動)の防止(4)テロリズムの防止-の四つの事項と位置付け、さらにそれぞれ四~十の項目に分けて内容を説明している。 例えば「外交」のうち、「イ」の外国政府との交渉内容などの
洋画のテレビ放送で、名物だったのが吹き替えの声。例えば、クリント・イーストウッドなら山田康雄さんの声で記憶している視聴者は多いだろう。熱心なファンの気持ちに応える企画がCSなどで生まれている。
政府は二十九日、来年四月の消費税増税に伴い、鉄道とバスの運賃をカード型IC乗車券に限って一円単位で引き上げることを認めると発表した。これを受けて、すでに対応を表明しているJR東日本はIC乗車券の普及している首都圏などで先行導入し、他の地域でも導入を検討する。 導入する地域では、現金で乗車券を購入する場合には十円単位の値上げとなるため、同じ区間で異なる運賃が混在する「二重運賃」となる。太田昭宏国土交通相は二十九日の閣議後の記者会見で「増税分をより正確に転嫁する観点から認める」と説明した。
特定秘密保護法案の全文は次の通り。 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。 一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関 二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一
自民党幹部は十三日、機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案に、公明党が条文として明記するよう求めている国民の「知る権利」について、「文言としては明記しない」との考えを記者団に明らかにした。 この幹部は理由について「国家には『知らせない義務』もある」と説明した。ただ、実質的に「知る権利」を担保する方針で、どういう表現で法案に盛り込むかは公明党と引き続き協議するとした。 「知る権利」をめぐっては、公明党が報道や取材の自由を「国民の知る権利の保障に資する」と位置付けた上、法律の適用に当たって「十分に配慮する必要がある」と主張。山口那津男代表が安倍晋三首相に直接、要請した。首相は検討する意向を示し、政府の実務者は公明党に対して「知る権利」に配慮する表現を盛り込むと伝えていた。
東京電力福島第一原発のタンクから三百トンの汚染水が漏れた問題で、東電は、ほとんどのタンク群の周りに水を食い止めるコンクリート製の堰(せき)を設けたのに排水弁をすべて開けていたことが分かった。今回の漏出事故では、大量の汚染水が排水弁から堰の外に漏れ、土のうを越え、近くの排水溝から海に汚染が広がった可能性が高い。 汚染水漏れが起きたタンク群には、二十六基のタンクがあり、これを囲む堰の二十四カ所に弁が設置されている。東電は、汚染水が漏れても広がらないよう堰を設けたが、堰内に雨水がたまると汚染水漏れが発見しにくくなるとして、弁を開いたままにして雨水が抜けるようにしていた。 しかし、弁が開いていたことで、漏れた汚染水は簡単に堰の外に出た。外部には土のうが積んであったが、土に染み込むなどしてその外側に漏れ出した。 二十一日には、問題のタンク群から排水溝に向かって水が流れた跡が見つかったほか、排水溝内で
中央に広がる東京貨物ターミナル駅の左側が東海道新幹線車両基地。新幹線基地とコンテナ駅をセットで造るのが旧国鉄の方針だったとされる=東京都品川区八潮で、本社ヘリ「あさづる」から(松崎浩一撮影) 旧国鉄が東海道新幹線開業前後に検討し、鉄道ファンの間で「幻の計画」として知られる東京-大阪間の貨物新幹線計画の詳細を、当時の担当者で、後に首都圏本部長も務めた元常務理事が本紙に明らかにした。貨物輸送が実現しなかったにもかかわらず国鉄首脳がその理由を明確にしなかったため、新幹線建設に世界銀行(世銀、本部ワシントン)の融資を受ける目的での「見せかけの構想」だったとの指摘も出ていた。だが、元理事は、東京、静岡、名古屋などでの貨物ターミナル用地の買収も済み、工事が始められていた事実を指摘し、「真剣な計画だった」と反論している。 この元理事はJR九州初代社長の石井幸孝氏(80)。石井氏は、国鉄が一九七〇年に作成
自民党は同党の改憲草案で、憲法九条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は四月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役三百年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。 (小倉貞俊) 【こちらは記事の前文です】 記事全文をご覧になりたい方は、東京新聞朝刊または、携帯電話の有料会員サービス「東京新聞・東中スポ」をご利用ください。 東京新聞は、関東エリアの駅売店、コンビニエンスストアなどでお求めいただけます。 購読・バックナンバーをご希望の方は「新聞購読のご案内」をご覧ください。 掲載日やキーワードから記事を探す「記事検索サービス」もご利用ください。
日本原子力研究開発機構が発注した除染モデル実証事業(二〇一一~一二年)で、中堅ゼネコンの日本国土開発(東京)が福島県南相馬市で生じた汚染水三百四十トン(同社推計)を、農業用水に使う川に流していたことが十一日、共同通信の調べで分かった。原子力機構は、川に流すことを知りながら、排水経路に触れていない国土開発の計画書を了承、地元に提出していた。 南相馬市は「排水の説明はなかった。排水されたことも知らなかった」と反発。福島県も説明は受けていないとしている。放射性物質汚染対処特措法(特措法)は正確な情報伝達を求めており、環境省は調査に乗り出した。 原子力機構は「地元と合意書は交わしていないが、排水については口頭で説明したはず」と説明。国土開発は「機構が地元に説明をしたと聞いていたので、排水してもいいと理解していた。農業用水に使う川とは知らなかった」としている。 共同通信が入手した国土開発の内部資料「
急勾配の碓氷(うすい)峠越えで鉄道ファンらに知られ、長野新幹線開業に伴い一九九七年に廃線となったJR信越線の横川(群馬県安中市)-軽井沢(長野県軽井沢町)間。安中市が全長一一・二キロの廃線跡を丸ごと買い上げ、保有するが、送電用の架線を何者かに盗まれ、半分以上を失ってしまった。
インターネットの動画サイト「ニコニコ動画」で生中継された党首討論=写真、ニコニコ動画から=で、自民党の国会議員が匿名で書き込みをした問題が反響を呼んでいる。発言の中身だけでなく、国会議員の身分を隠して一般人として書き込んだことへの批判もある。参院選でネットによる選挙運動が解禁される前に、特定の主張の持ち主が匿名で投稿することの是非を考えた。 (ネット選挙取材班) 問題の発言は、自民党ネットメディア局長の平井卓也衆院議員が二十八日、党首討論の中継会場で、社民党の福島瑞穂党首が発言した際に「黙れ、ばばあ!」などとスマートフォン(多機能携帯電話)で書き込む一方、安倍晋三首相の発言には「あべぴょん、がんばれ」などのメッセージを送った。本人もそれを認めた。 本紙がこの発言を取り上げて以降、短文投稿サイト「ツイッター」には「匿名であれば、他の自民党政治家らも暴言を吐きまくっているに違いない」「裏では工
トップ > 特集・連載 > 日米同盟と原発 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事 【日米同盟と原発】 第9回「漂流する核のごみ」 (5)清志郎「ひ、ど、い」 Tweet mixiチェック 2013年6月5日 ◆世論工作 着々 核のごみをめぐる問題がありながら、それでもなお原発大国への道をひた走る日本。その原発推進路線は、世界を震撼(しんかん)させた旧ソ連チェルノブイリ原発事故後も変わらなかった。 RCサクセションの反原発レコードの発売中止を報じる88年6月23日付中日新聞朝刊社会面の記事 事故から二年後の一九八八(昭和六十三)年六月。人気ロックバンド、RCサクセションの新アルバム(LP)「COVERS」が突然、発売中止になった。エルビス・プレスリーの名曲「ラヴ・ミー・テンダー」に「核などいらねえ」などと日本語歌詞を付けた反核・反原発ソングが入っていた。 発売元は東芝EMI(現・ユ
街のどこにも本屋さんがない。そんな市町村が増えている。首都圏でも、筑波研究学園都市に隣接する茨城県つくばみらい市が、全国に四つある「書店ゼロの市」の一つに。一方、北海道留萌(るもい)市では官民一体となって書店を誘致し、ゼロから抜け出すなど、新しい動きも出始めている。 (中村陽子、写真も) 「本をどこで買いますか?」。つくばみらい市内のつくばエクスプレス(TX)「みらい平」駅前。立ち話をしていた三十代の主婦二人に質問すると「ないんですよ、本屋さんが」と、顔を見合わせてうなずいた。「引っ越してきてびっくりしました。大の読書家の夫は、車で隣の守谷市まで買いに行ってます」 二〇〇六年に伊奈町と谷和原村が合併したつくばみらい市。みらい平駅から都心の秋葉原駅まで、〇五年に開通したTXで最速四十分というアクセスの良さもあり、六年間で人口が一割以上増えて四万六千人余になった。ところが近隣の市に大型書店がで
「破滅」と書かれた画用紙を看板の手前で掲げて、自ら25年前の標語を訂正した大沼勇治さん=福島県双葉町で 「原子力明るい未来のエネルギー」。福島県双葉町の中心街の入り口に掲げられた看板の標語だ。二十五年前、当時小学六年の大沼勇治さん(36)が町のコンクールに応募し、選ばれた。大沼さんは、一年四カ月の避難生活で「脱原発」を確信した思いを伝えたいと、今月十五日、一時帰宅した際、自ら標語を「訂正」した。 大沼さんは東京電力福島第一原発の事故後、身重の妻せりなさん(37)と地元を離れ、現在は愛知県安城市で避難生活を送る。町が原子力標語を公募したのは一九八七年。原発が町の未来をつくると信じた言葉が入選。第一原発から約四キロの自宅近くに鉄製の看板が電源立地交付金で建てられ、誇らしかった。 大学を出て就職などし、二十九歳で帰郷。不動産会社に勤める傍ら、看板の横にある土地にオール電化のアパートを建てて、東電
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