「実家の母が(ネトウヨブログにあおられて)、たくさんの弁護士さんを懲戒請求してしまったようなんです。どうしたらいいか……」 ある40代の男性会社員Aさんからそんな連絡を受けたのは昨年夏のことだった。電話で何度かやりとりした後、直接会って話を聞いた。 Aさんの母親は60代半ばで、数年前に退職するまで地元の役所に勤めていた。当時はごく普通の穏やかな“働く女性”だったという。10年ほど前に離婚し、自宅で一人暮らしをしている。 「これといった趣味もなく、定年後は家に引きこもりぎみでした。寂しさをまぎらわすためにネットにハマってしまったのかもしれません」 そこで、ネトウヨに人気のブログ「余命三年時事日記」に出合ってしまったようなのだ。母親の“変化”にAさんも気づいてはいた。 「たまに実家に帰ると母がテレビを見ながら『この朝鮮人が……』とか嫌韓的なことをブツブツ言っていたんです。それまで聞いたことのな
福岡市の創業支援施設で6月24日、IT関連のセミナー講師を務めていた会社員(41)がトイレで刺殺された事件は、大きな衝撃を与えた。 加害者と被害者とはブログ上で以前からトラブルを起こしていたとされ、ネットの遺恨が現実世界にまで波及したあげく、最悪の結果を招いてしまったのだ。 報道によれば、加害者は最初から刺すつもりでタイミングをうかがっていたばかりか、犯行時にはメッタ刺しにしたという。それほどまでの遺恨とは何なのか、動機の全貌が明らかにならないうちは、ネット上での表現や発信が萎縮してしまうとの不安が増していくのも致し方ない。 被害者は炎上の分析やブログに関する各種ノウハウの専門家だったといい、単著や共著もあった。よくわかっているはずの人物だったのだ。それがなぜ、という誰もが抱く疑問を解くため、舞台となったブログをザッと見てみた。だが、加害者が彼の気に入らないブログ記事や記事につけられたコメ
<24時間テレビはチャリティーでギャラもらえるのに、東京五輪は巨大なビジネスなのにボランティアはタダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?>――。2020年東京五輪のボランティア募集について疑問を呈したツイートは、リツイート数が約5万件に上るほどの反響を呼んだ。投稿したのがデーブ・スペクターさんだ。56年ぶり、2度目の東京五輪の開催に向け、大会組織委員会や政府、東京都、メディアが一体となって盛り上げ機運を高めていることにも、「冷静になろう」と呼びかけている。 ■スポンサーが自前でスタッフを ――東京五輪のボランティアに関するツイートが反響を呼びました。 24時間テレビのことを今さらどうこう言うつもりはないけど、チャリティー番組とはいえ、結局金儲けじゃないですか。スポンサー企業の協賛金だけで番組内で募った寄付金額を超えているし、当然、出演者はギャラをもらう。それならなぜ、テレビ番組とは比較にな
サラリーマンに「暗黒社会」が到来するかもしれない。安倍政権が提案している「残業代ゼロ法案」について、労組の連合が、これまでの反対姿勢を百八十度転換し、容認する方針であることが分かった。 「残業代ゼロ法案」は、安倍政権が2015年4月に国会に提出したが、野党側の猛反発で審議入りできていない。11日に明らかになった、政府と経済界、労働界の首脳が参加する政労使会合の合意案によると、連合は法律の修正案として、政府が導入を目指している「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ)を認める代わりに、「年間104日間以上の休日取得」を企業に義務付けるよう要請したという。しかし、この修正案で妥協するのはとんでもない話だ。 ■ブラック企業レベルの修正案 日本労働弁護団幹事の渡辺輝人弁護士(京都弁護士会)はこう言う。 「年間104日間の休日というのは、単に週休2日に52週(1年)をかけた数値です。つまり、連合が
共謀罪の危険性を聞くなら、小澤俊夫氏だろう。筑波大名誉教授でドイツ文学者。世界的な指揮者、小沢征爾氏の兄、つまり、ミュージシャンの小沢健二氏の父親だが、今回はこの人自身の父親、開作氏の話から伺った。満州に渡り、石原莞爾に共鳴、五族協和を訴えた開作氏は大陸でも帰国後の日本でも特務機関の監視対象だったのである。テロ等準備罪などというが、治安維持法とどこが違うのか。今の安倍政権は日本をどこへ導こうとしているのか。貴重な戦争体験に基づいた警鐘――。 ■一番悪い岸の末裔が首相になって日本の未来はなくなった ――お父さんの開作さんは早い段階から敗戦を予想されていたと聞きました。 親父はもともと歯医者で、シベリア経由でドイツに留学するつもりで大連に行ったんですよ。そこで石原莞爾さんや板垣征四郎さんの五族協和の考え方に感銘を受けて、満州青年連盟の一員となって活動を始める。でも、いつのまにか日本から大量に官
石原節が止まらなかった。 12日、五木ひろし(68)が新曲「思い出の川/九頭竜川」の発表会を開き、同曲を作詞した作家で元東京都知事の石原慎太郎氏(83)も登場。日本音楽界の現状に「今のシンガー・ソングライターは面白くない。教養のない連中が書いた、文章になってないのが多い」と毒づくと、話題は今年1月に出版した著書「天才」へ。 同作は元首相の田中角栄を描いたもので、「今の日本は全部田中角栄がつくった。新幹線、各地の空港、高速道路……それをロッキード事件で葬った日本はバカだ!」と一喝。すると、返す刀で怒りは今月出演した「金曜日のスマイルたちへSP」(TBS系)へ。 番組で石原氏は登場するなり、中居正広(43)に向かって背後にズラリと並ぶ赤い服を着た女性陣を見て「なんなの、この人たち」とひと噛み。中居が「当時から、そういうふうに(田中は天才だと)感じられてたのか。それとも、この長い間政治の世界で歩
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