★★★★☆ イスラーム教徒でもあるイスラーム学者、中田考による語り下ろし形式(一部インタビュー形式)による人生指南書的な一冊。 表紙がライトノベルみたいなのが気になりますが、内容とは一切関係ありません(どうしてこの装丁にしたのでしょう???) ふだん意識することはあまりありませんが、僕も含めて大半の日本人が浸っている資本主義や領域国民国家やリベラルな価値観、ものの見方を快刀乱麻にぶった切っていきます。それはもう、身も蓋もないほどに。 ともすれば、ただの「ぶっちゃけ」になってしまいそうですが、そうならないのは背景にイスラームの教えと豊富な知識があるからでしょう。 たとえば、こんな記述があります。 「人間は必ず死ぬわけですから「死んではいけない」というのはまちがっています。価値観の問題ではなく事実としてまちがっている。 どうせ、いつかは死ぬのだから「死んではいけない」と言っても不可能です。 (