7月に移行した地上デジタル放送(地デジ)の受信が困難な地域に対し、国が共同アンテナを地デジ対応に改修したり新設する費用を補助する事業で、市町村に示した総務省作成のマニュアルに不備があったため、事業費が約2億5000万円も過大にかかったことが会計検査院の調査で分かった。 総務省は、山間部など受信の困難な地域で自治体や住民が共同アンテナなどの施設を改修・新設する際、費用の2分の1から3分の2を補助。07~10年度末で全国約4100施設に対し、約150億円を補助した。 関係者によると、検査院はこのうち約1000市町村の約1100事業を抽出調査。この補助事業では複数の業者から見積もりを取って費用を算出することが原則なのに、半数の自治体が複数から見積もりを取らず、総務省のマニュアルにあった「標準価格」に沿って費用を積算していたことが分かった。 マニュアルでは、標準価格を機材の様式や各市町村の予算要求