『ファスト教養』から考える“迷う”ことの楽しさをいかに伝えるか はこちら 「レジーさんと絶交するのかもしれない」 宇野 この本のタイトルを見た時、「俺、もしかしたらレジーさんと絶交するのかもしれない」と思ったんですよ。 レジー (笑)。 宇野 もちろん、言いたいことはよくわかるんです。自分たちが愛してきた知的な営みが、ビジネスパーソンのためのサプリメントのようなものとして提供されて、いかに「商売の役に立つか」という基準でしか価値がないかのように扱われていたり、そのせいでものすごく雑にまとめられたものが広まってしまうのを見ると、とても悲しくなる。 ただ、その一方でこうした言説は「ビジネス本のファスト教養をありがたがる無教養な人たち」に石を投げて、「知的で文化的な自分たち」を肯定したいという人たちの欲望に応える「投石機」として消費されてしまうことが多いわけです。 実際にこうやって文化系が苦手な