先日から話題となっている「日大アメフト事件」では、「危険タックル」を指示したとされる監督と選手の関係に注目が集まった。報道を見る限り、監督は極めて強権的で、試合に勝つためには手段を選ばない人物だったようだ。アメフト部内には、異を唱えられるコーチはいない。しかも監督は、大学の幹部まで務めている。 大学生の一選手が逆らえるはずもない。たとえ悪いとわかっていても、「危険タックル」という反則を犯すよう追いつめられた。監督に嫌われれば、選手生命すら危うくなってしまうのだ。スポーツに反則はつきものであるとはいえ、極めて悪質なタックルだった。にもかかわらず、日本中が騒然となり、選手には強い同情が集まった。その背景には、あの監督と選手に似た関係が、一般社会でもよくあるからではなかろうか。 スポーツでは何より「勝利」が追求される。同様に企業は、「利益」を重視する。安倍政権の「成長戦略」の不発ぶりが明らかにな
「世界難民の日」を前に、東京入国管理局に収容されている外国人を激励する支援者や収容者の親族ら=東京都港区で2018年6月16日、宮武祐希撮影 20日の「世界難民の日」を前に、不法滞在者として強制退去処分とされた外国人が収容されている東京都港区の東京入国管理局前で16日、収容者の親族や支援者ら約30人が「諦めないで」などと声を張り上げて収容者を激励した。全国にある入管の収容施設には1464人(7日現在)が収容されている。収容期間が6カ月以上の長期収容者も増えており、支援者らは人道上の配慮を求めている。 「収容やめろ」などと書いたプラカードを手にした参加者が「家族を返せ」「仲間を返せ」とコールを始めると、収容者らが部屋から手を振る姿が見え、「来てくれてありがとう」「がんばる」などと叫ぶ声が聞こえた。
政府が15日に公表した「骨太の方針」では外国人労働者の受け入れを拡大するため、新たな在留資格を設ける方針が示された。治安の悪化を懸念する声もあるため、在留外国人の管理体制を強化する内容も盛り込まれた。 新たな在留資格の背景には、少子高齢化で深刻化する人手不足を、外国人労働者によって補う狙いがあり、一定の技能水準と日本語能力を身につけた人を対象とする。ただ、「移民政策ではない」として、滞在は最長で5年にとどまる。 能力は業種を所管する省庁が定めた試験で確かめるが、技能実習生の場合は3年の経験があれば免除される。また、家族帯同は原則として認めないものの、滞在中により高い専門性が確認されれば「専門的・技術的分野」の在留資格に移行でき、長期滞在や、家族帯同も認められる可能性がある。対象は現在18分野だが、拡大を検討している。 また、外国人労働者の増加でオーバーステイや偽装滞在などの問題が深刻化する
国内の介護人材不足を外国人労働力で補おうとする動きが加速している。だが、同様の取り組みを実施しているドイツは苦戦。まずは介護職の待遇改善が急務だ。 (日経ビジネス2018年4月9日号より転載) 介護分野の人手不足が続いている。厚生労働省の社会保障審議会で2017年に示された資料によると、25年には約38万人の人材が不足する見込みだ。 こうした状況の中、政府は介護人材不足を外国人労働力で補おうとしている。これまでインドネシア、フィリピンおよびベトナムとのEPA(経済連携協定)に基づき、約3500人の介護福祉士候補者を受け入れてきた。 さらに17年には外国人技能実習制度に介護職種を追加するなど、受け入れ数を増やす施策を追加した。だが、外国人労働力は日本国内の介護人材不足を解消するのだろうか。先行するドイツの事例を基に考える。 ドイツは人材を集められず 高齢化が進むドイツでも、介護人材の確保は大
あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。 医療・介護 大転換 2017年5月に「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法」が成立し、18年4月からは介護保険と医療保険のサービス内容が改定された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。 バックナン
審査期間を短縮し迅速・効率化目指す 就労目的の難民申請が急増している。理由は「難民申請すれば就労資格が得られる」との誤解が広がったためと見られている。法務省は就労を目的とする偽装申請の抑制へ、1月から難民認定制度の運用を見直した。 「難民申請=就労」。この誤ったメッセージとなったのが申請6カ月後から一律に就労可能な在留資格を与えた2010年3月の運用変更だった。これは審査が長期に及ぶため、申請者の生活安定を図るための措置だった。実際、昨年の1次審査の平均は9.6カ月。認定されず不服を申し立てると、更に平均で23.4カ月かかるが、この間、就労できるため「難民申請すれば、就労ビザがもらえる」と誤解され、想定外の申請者を呼び込んでしまったわけだ。 当然、全員が就労目的ではないが、申請者数の推移を見れば、誤ったメッセージだったことは明白だ。10年の1202人から11年は1865人に増加。14年は5
介護分野の外国人技能実習生が働き続けるのに必要な「日本語能力」を測るため、介護に特化した新たな試験が作られることになった。今の試験はハードルが高いとして、実習生を送り出す国側から反発が強い。このままでは不足する介護人材を確保できないと、介護事業の海外進出を進める官民の「国際・アジア健康構想協議会」が7日、年内にも内容を決めて実施すると発表した。 厚生労働省もこの新試験を認可する方針だ。協議会は、試験作成に向けて日本語教育や介護の専門家による検討会を立ち上げ、介護現場に必要な日本語能力の基準作りを進める。 技能実習制度の介護職は、初の対人サービスとして昨年11月に加わった。厚労省は必要な日本語能力を測る物差しに、「日本語能力試験」(国際交流基金など共催)を採用。入国の条件を「N4(ややゆっくりの会話ならほぼ理解できる)」合格とし、1年以内に「N3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解で
インドネシアといえば、赤道直下の青い海。海辺に広がる美しいビーチリゾートを思い浮かべてしまう。しかしそんなイメージとは縁遠く、この国に介護の専門学校と日本語学校を設立した日本人がいる。「さくら協同組合」の酒井洋茂さんだ。 酒井さんが代表理事を務める「さくら協同組合」は、東京を拠点にして、外国人技能実習生を受け入れている。これまでは食品産業や建設業を中心に、ここインドネシアをはじめ、ベトナムやタイ、ネパールなどの人たちを日本企業へと紹介してきた。これらの実績を聞くと、酒井さんが日本語学校を設立した理由は想像がつくのだが、介護の専門学校となると、何故という疑問が湧く。 実は、日本では2017年11月より、老人ホームなどの介護施設でも外国人技能実習生を受け入れることが可能になった。この技能実習制度は、昨今ニュースを賑わすことが増えているが、そのほとんどはこの制度に対する問題点や、来日した外国人が
私は、「違いを楽しみ、力に変えよう」などのテーマを提げて「多文化共生」の必要性を全国のあちこちで喋って回ることをライフワークにしている。中にはそんな私などを批判する者がいる。そして彼らのほとんどが日本への「移民受け入れ反対」を訴える人たちとほぼ重なっていることに気づく。 日本にいる一移民の当事者ではあるが、私自身は実は「移民受け入れは反対」と口にしている。「多文化共生」を訴える身として一見矛盾しているように思われるだろうが、少なくとも私などの中では一切矛盾はない。 巷の議論を見ていると「移民受け入れ」と「多文化共生」は同意的に扱われている。確かにセットになる。しかし必ずしもセットになるとは限らない。移民を受け入れたら多文化共生が必要になるが、多文化共生には、移民受け入れが必ずしも前提にならない。 「移民受け入れ」と「多文化共生」をあえて分けて捉える必要があるのではないか。有耶無耶になってい
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