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来年度からの障害福祉サービス見直しに向け、厚生労働省の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」が障害当事者団体などに意見聴取した。7月21日に同省であったヒアリングには、日本盲人会連合と全国盲ろう者協会が参加。それぞれ、障害特性に応じたサービスが充実するよう報酬の加算制度の創設などを求めた。検討チームは12月中旬ごろまでに基本的な考え方を取りまとめ、来年2月頃には改定案を決める方針だ。【山縣章子】 障害福祉サービスの報酬は3年に1度改定される。検討過程に客観性と透明性を保てるよう、有識者が加わった同チームで検討しており、改定に向けた議論の前に障害当事者や支援団体、自治体など47団体から聞いた。
人工呼吸器をつけた「医療的ケア児」が学校に通える機会を広げようと、厚生労働省研究班が東京、埼玉など4都県の特別支援学校などで支援を始める。保護者に代わって看護師がケアを担えるようにし、来年度にも制度化につなげたい考えだ。 おなかに穴を開けて胃に管で栄養を入れる「胃ろう」や人工呼吸器などが必要な医療的ケア児が、公的医療保険で訪問看護を受ける場所は自宅に限られる。学校などは対象外なため、親が学校に付き添って、たんの吸引など医療ケアを行っていることが多い。 文部科学省は2013年度から自治体が看護師を雇って特別支援学校に配置する費用を補助したり、12年度から教員が医療的ケアを行えるよう研修制度を導入したりしているが、人工呼吸器をつけた医療的ケア児の通学は広がっていない。 研究班は、人工呼吸器をつけた医療的ケア児が親の付き添いがなくても通学できるよう、①日ごろ自宅で看護をしている訪問看護師が学校に
公共施設の老朽化が進み、維持費の増加が地方自治体の重荷になってきた。このまま施設を維持し続ければ、財政に極めて深刻な影響が予想されるだけに、全国に自治体の大半が「公共施設等総合管理計画」を策定し、本格的な施設の統廃合や機能集約に乗り出す構えだ。 札幌市や大阪府岸和田市など既に施設の機能集約に着手した事例が出てきた。総務省は自治体に施設の種類ごとに具体的な対応策をまとめる「個別施設計画」の作成を指導し、公共施設の縮減を求めている。 公共施設等総合管理計画を自治体の98.2%が策定 総務省によると、公共施設等総合管理計画は老朽化が進む公共施設の現状を把握したうえで、計画的な再編策を示し、自治体の負担軽減への道筋を示すもので、2016年度末までに自治体の98.2%が策定した。うち都道府県、政令市はすべてが策定済みだ。 総務省が可能な限り数値目標を打ち出すよう求めているため、縮減目標を掲げた自治体
医療的デバイスを付けて生きる障害児、医療的ケア児。 その医ケア児を育てている母親が、この度の内閣改造で史上初めて大臣となった。 野田聖子総務相である。 【マーくんママとの出会い】 野田聖子さんとは特別養子縁組支援の法制化で、2013年後半から何度かお会いしていた。ただ、ちゃんと話すようになったのは、彼女のお子さんが、僕たちフローレンスの運営する「障害児保育園ヘレン」に偶然にも入園してきた時からだった。 野田さんのお子さんのマーくんは、痰の吸引など医療的ケアが必要で、普通の保育園や幼稚園には行けなかった。保育園や幼稚園は看護師を置いていないところも多く、またたとえ置いていたとしても、ほとんどの園では医療的ケアを行わない。 仕方がないので彼女は月に数十万円もかけて看護師を雇って、働いている時にみていてもらっているようだった。障害児保育園ヘレンには保育士も看護師もいるが、国の補助も活用して月々数
「突然ふっと、ね」。知的障害がある小西勉さんは自宅に近い横浜市内の駅のホームで、向かってくる電車の方に吸い込まれるように進むときがある。「ここ2、3年、何回も。今だってあります」。途中で「ああ」と思い、足が止まる。相模原殺傷事件の植松聖(さとし)被告(27)は「障害者は不幸しかつくらない」と主張。ネット上には賛同する書き込みもあった。小西さんは「悲しいけど、周りにもそういう人はいるし」とポツリ。“自殺”しそうになる理由を一つには絞れないが、社会の空気は大きな要因だという。 発生から1年がたった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」殺傷事件で、警察は殺害された19~70歳の入所者19人の氏名を公表していない。「遺族の希望」が理由だ。 ■無事かが不明 小西さんは、事件現場となった施設に何度も足を運び、献花した。友人が入所していたという仲間は「名前が出ないから、無事かどうか分からない」と嘆いた
引っ越し大手のアートコーポレーションが、発達に障害のある乳幼児を対象に、生活をしやすくするためのトレーニングや支援を行う療育教室の展開に力を入れている。平成28年度に埼玉県朝霞市など3教室を開設し、本年度中にさらに4教室増やす。33年度までに全国で50カ所に拡大する計画だ。 アートは17年に保育事業に参入。約180カ所の保育所を運営する中で、発達障害のある乳幼児向けの療育の場が不足している状況に直面し、発達支援事業を開始した。 教室には作業療法士や社会福祉士、保育士など専門知識を持つスタッフを配置し、個別に専門的な支援プログラムを作っている。 ブランコやボールプールなど体幹を鍛える遊具を使い、感覚や運動リズムを重視しているのが特徴で、マンツーマンかグループでの指導を選ぶことができる。現在の3教室には、広汎性発達障害や自閉症などと診断された1歳半から就学前の計73人が週に2、3回程度通ってい
重症心身障がい者である坂川亜由未さんと母・智恵さんが共同で運営する地域コミュニティースペース「あゆちゃんち」(板橋区徳丸1)が4度目の夏を迎えた。 赤ちゃんも、お年寄りも、障がい児者も一緒に参加できる居場所づくりを目指している 亜由未さんは先天性の心臓病で生後4日目に手術を受け、その後に脳の血管が破れたことから脳性まひによって重度の障がいが残った。肢体不自由で首と右手以外はほとんど独力で動かすことができず、知的障がいも抱え、医療による支援を必要とする重症心身障がい者(=医ケア重心)の認定を受けている。 智恵さんによれば、生活介護のデイケア施設は、医ケアを必要としない重症心身障がい者(重心)は、例えば平日5日通うことができて定員数も多い一方、医療設備や専門の介助要員が必要となる医ケア重心は受け入れ可能な施設が少ない上、通える日数も週3~4日で定員数も極端に少ないという。「人目を避けて自宅や施
リゾートホテルはたまに行くから快適なのだ。どんなに素晴らしいホテルでも、この先ずっとホテル内だけで生きることを強いられたら、監獄のように感じ始めるのではないか。 19人の障害者が殺害された「津久井やまゆり園」(相模原市)の建て替え問題で、町中に小規模施設を分散して建設する神奈川県の方針に家族会や職員らは反対している。「施設規模を小さくしないでほしい」「自分の仕事が否定されたと思う」「やまゆり園は私たちがやっとたどりついたかけがえのない家だ」 離れたところにいる親には素晴らしい施設に思えても、そこでずっと暮らしている障害者はどうなのだろう。嫌ならいつでも辞められる職員と違い、障害者は嫌になっても言えず、ストレスで行動障害を起こすようになれば、ますます施設内に閉じ込められる。ただ現状に慣れるか、あきらめることしか許されないのである。
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