中二病(邪気眼)のヒロインと高校デビューで脱オタをはかった主人公のドタバタ。白岩玄「野ブタ。をプロデュース」と滝本竜彦「NHKにようこそ!」と綿矢りさ「蹴りたい背中」を5:3:2ぐらいでブレンドしたみたいな内容です。「野ブタ。をプロデュース」はエンタメしたいのか文学したいのか中途半端な結末でしたが、これはコメディ色が強く素直にエンタメとして楽しめました。あとギャグセンスが超絶。町田康より笑えました。以下ネタバレ。 一応ラブコメですが、学内政治ならぬクラス内政治のリアリティが凄まじい。あーいるいるこんなヤツ、と現役の学生なら共感できるんじゃないでしょうか。なんといっても、クラス内ヒエラルキーの描写が秀逸。このえぐい舞台設定のおかげで、フィクションにありがちな白ける展開がありません。むしろそのようなフィクション性(こうだったらいいな、という妄想・願望)にとり憑かれた人間の痛々しさ・キモさが前面