※ジジェクと小泉義之の本に関する私的な思い出をちょっと書いた感じなのであまり踏み込んで紹介とかできていません。 小泉義之「資本主義の軛」(『闘争と統治 ― 小泉義之政治論集成 II 』月曜社2021年7月所収)で『闇の自己啓発』が引用された、しかも自分の書いた箇所が引用されたと知ったとき、私は心密かに思い描いていたある事態が到来するのではないかと考えていた(『闇の自己啓発』第1章注30「加速主義」の説明は私が書いていた)。次の指摘を誰かから受けることだ。すなわち、日語版のロジャー・ゼラズニイ『光の王』においては「accelerationism」が「加速主義」ではなく「促進主義」と訳されているではないか(訳者は深町眞理子)という指摘を。このことについて触れられなかったのは心残りのひとつだった(心残りは他にも色々。例えば校正をしている期間に刊行されていた森岡正博『生まれてこないほうが良かったの