市町村教育委員会が公立小中学校教職員の総労働時間を十分に把握する制度がなく、退勤時間の管理が置き去りにされてきたのは、超過勤務手当を計算して教員に支払う必要がないからだ。教員は残業手当の代わりに、1971年に設定された、月8時間の残業代に相当する基本給の4%が、月給に上乗せされている。45年前の規定は今も変わっておらず、「平均で92時間以上の残業をしている」(県教職員組合)という現状は反映されていない。 県内の公立小中高校・特別支援学校で2015年度に病休した教職員は421人。うち精神疾患が176人(41・8%)でいずれも過去最多だった。残業が続いた結果、体調を崩した教員もおり、勤務状況の管理が十分でなかったことも教員の病休が増えた一因となった可能性もある。 現在、多くの市町村では管理職が確認するという方法に頼っている。管理職の負担が大きく、学校間で対応に差が出かねない。正確な時間を把握す