このところの市場の波乱を受けて、投資家筋は米連邦準備理事会(FRB)の9月利上げはほぼ目がなくなったとみているが、金融界の重鎮2人がさらに突っ込み、FRBの次の動きは量的金融緩和の再開だと予測している。元米財務長官のローレンス・サマーズ氏と、世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏が今週、FRBはデフレの危険に対抗し、金融市場の緊張を和らげるために「量的緩和」プログラムの再開を検討すべき
このところの市場の波乱を受けて、投資家筋は米連邦準備理事会(FRB)の9月利上げはほぼ目がなくなったとみているが、金融界の重鎮2人がさらに突っ込み、FRBの次の動きは量的金融緩和の再開だと予測している。元米財務長官のローレンス・サマーズ氏と、世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏が今週、FRBはデフレの危険に対抗し、金融市場の緊張を和らげるために「量的緩和」プログラムの再開を検討すべき
ユナイテッド航空と言えば「Fly the Friendly Skies」というスローガンが思い浮かぶが・・・(写真は7月8日、米サンフランシスコ国際空港で待機するユナイテッド航空機)〔AFPBB News〕 しかし、ユナイテッド航空は先週、コンピューターの障害のために全便の一時運航停止を余儀なくされた。この2カ月間で2度目のことだ。 座席の足回りが狭くなっている、運賃が上昇している、欠航が出るなど、今日ではいろいろな理由で航空業界という言葉は悪いサービスと同義語になってしまっている。 ペルシャ湾岸諸国の航空会社は米国の競争相手を圧倒している。アジアの航空会社は格が違う。米国の空が外国航空会社に閉ざされているうちは、この差は広がるばかりだろう。米国政府の受動的な共謀も手伝って、世界の航空業界の重心は東に移動しつつある。 世界の強豪に大きく劣る米国勢 米国の航空会社が衰退し続けていることは不思
週が変わると、また米国でサイバー警報が相次ぎ鳴り響いた。7月8日水曜日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とユナイテッド航空が不可解なコンピューター関連トラブルで数時間にわたって活動を停止する一方、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のウェブサイトが一時的にダウンした。 3社とも、機能停止は悪意ある攻撃ではなく技術的な障害を反映したものだと強調した。 だが、強大な米国企業・機関に対する過去の攻撃の後、多くの人が不安を抱いている。 今年2月、保険大手のアンセムはハッカー集団に8000万人の顧客の情報を盗まれたことを明らかにした。 ワシントンに本拠を置く米人事管理局はハッカー集団が数百万人の連邦政府職員に関するデータを盗んだと述べた。小売りから銀行まで、さまざまな企業も攻撃を受けている。 米国の送電網が破壊されたら1兆ドルの損害 8日、まさにNYSEが機能停止に陥った時、ケンブリッジ大学と保険大
オバマ政権も国際通貨基金(IMF)――米国の世界的な財力の手段――も、欧州の債権者を相手にギリシャを擁護する用意があった。 だが、SYRIZA政権のふざけた態度は、ギリシャの友人をにっちもさっちもいかない立場に立たせた。 米国は長らく欧州に対し、構造改革と引き換えにギリシャの債務の一部を減免するよう要請してきた。だが、努力は無駄だった。欧州については、米国は強くもなければ間違ってもおらず、弱くて正しかったのだ。 ギリシャの運命に対して米国が持つ利害 米国はもっと大きな影響力を駆使することができるだろうか。その答えはイエスであるべきだ。米国はグレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)を阻止することに2つの重大な利害を持つ。 1つ目は経済的な利害だ。ギリシャ経済の規模はオレゴン州程度しかなく、人口はオハイオ州と同じだが、全面的なデフォルト(債務不履行)は米国の主要貿易相手国の成長を弱める。グレグジ
6月28日、プエルトリコ政府は長らく計画していた経済報告書を発表した。 世界銀行の元チーフエコノミスト、アン・クルーガー氏が書いた報告書は、プエルトリコが財政危機にあると宣言していた。 アレハンドロ・ガルシア・パディラ知事は、島が抱える720億ドルの債務は今、「支払うことができない」と話している。 だが、発表は大きな不安の種をまくどころか、債券価格が揺らいだだけだった。というのも、ギリシャが全面的な金融危機に陥り、中国市場が急落する中で、プエルトリコが明らかにした事実はほとんど付け足しのように思えたからだ。 クルーガー報告書が浮き彫りにした2つのポイント とはいえ、プエルトリコで起きていることを無視するのは間違いだ。クルーガー教授の報告書は2つの重要なポイントを浮き彫りにしているからだ。 まず、過剰債務やお粗末な統治、不透明な財政と奮闘している場所はギリシャだけではないということ。次に、欧
プエルトリコとギリシャの比較は大げさかもしれない。多額の債務を抱えた米自治領プエルトリコは米ドルを捨てると脅しているわけでもなければ、米国から離脱すると脅しているわけもない。次第に危うくなってきたギリシャのユーロ圏、欧州連合(EU)加盟とは対照的に、どちらのシナリオも考えられないことだ。 ギリシャとの類似点 だが、厄介な類似点がある。どんな尺度で見ても、プエルトリコの債務負担は持続不能だ。次回の10億5000万ドルの利払いのデフォルト(債務不履行)は、早ければ7月1日水曜日にも起きる。 さらに、プエルトリコには債務をリスケ(繰り延べ)する明確なメカニズムがない。米国の州ではないため、全米50州が利用できる連邦破産法9条(チャプター9)の措置を行使することができないのだ。 ギリシャとユーロ圏のように、プエルトリコは米国経済のごく小さなシェアしか占めていない。プエルトリコが抱える720億ドルの
(2015年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) サウジアラビアの国防相が今週、ロシアに赴く。石油王国で米国の同盟国であるサウジは、ウラジーミル・プーチン大統領との架け橋を築き、中東の盟主としての権威を発揮しようとしているのだ。 国防相としてイエメンでのサウジの空爆作戦を率いたムハンマド・ビン・サルマン王子は19日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに合わせてプーチン大統領と会談する。 この会談は、ロシア政府がいかにシリアで前へ進む方法を模索しているかを示している。 ロシアは4年にわたるシリア内戦で「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」などのジハード(聖戦)主義者を含む反政府勢力と戦うバシャル・アル・アサド大統領の体制側の顕著な支援国だ。一方のサウジはアサド氏を退任に追い込むことを期待し、非宗教的な反政府勢力と「穏健」なイスラム主義の反政府勢力を支援している。 アサド後をに
6月第2週、中国と米国の長い商業的ダンスが目覚ましい節目を迎えた。電子商取引大手アリババ集団の創業者、ジャック・マー(馬雲)氏がニューヨーク・エコノミック・クラブで講演し、その場を利用して、アリババがあまりに急成長を遂げているため「今年、我々(アリババ)はウォルマートより大きくなる可能性がある」と明かしたのだ。 米国人の聴衆は、予想に反し、恐怖でたじろぐことはなかった。むしろ、マー氏のスピーチを感動的だと喝采した。 なぜか。マー氏はアリババに抱く壮大な野望を説明しながら、世界貿易がいかに、米国人を含むすべての人に輝かしい未来を開き得るかという驚くほどカリスマ的な夢も描いたからだ。 「今から10年後、(中国には)中産階級の人が5億人いる」と同氏は述べた。「(彼らは)米国(製品)に飢えている――我々は、米国の小さな企業が中国へ行き、モノを売るのを手助けする」 単なるPRと一蹴できないスピーチ
(2015年6月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 世界の債券市場における大きな転換は、投資家のポートフォリオを大混乱させる。だが、実体経済にとって、それは必ずしも悪い知らせではない。そのことは、ドイツの10年物国債の利回りが6月上旬に1%超まで跳ね上がった最近の混乱にも確実に当てはまる。価格と逆の動きをする利回りの上昇は、インフレ率上昇の見通しと一致する。 このため、ドイツ国債の利回りを筆頭とした世界的な利回りの急上昇は、明るい物語を語っているのかもしれない。 つまり、欧州が危険な日本式デフレ不況に陥りつつあるという不安が和らいでおり、市場が米連邦準備理事会(FRB)の利上げに備えて――ゆっくりと――準備しているということだ。 債券市場が暗闇を見て取っている場所に、ほかの人たちは明るい光を見るかもしれないのだ。 重要なことは、債券市場が物語を正しく理解しているかどうかだ。特にFRB
(2015年6月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 一部からは反スターバックスと見られているかもしれないが、ブルーボトルコーヒーは同社が運営する小規模な職人風カフェを大金に変えている。 米カリフォルニア州に本社を置き、コーヒーの小売りと卸売りを手掛けるブルーボトルは、フィデリティが主導する7000万ドルの新規調達ラウンドを終結した。同社は企業評価額についてコメントしなかったが、これほどの金額を調達する新興企業は通常、数億ドル(それも5億ドル以上の後半の数字)の価値があると評価されている。 ブルーボトルの出資者のリストは長くなっており、今回、米国最大級の資産運用会社の一部門であるフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチとヘッジファンドのテトラゴン・ファイナンシャル・グループが加わることになる。 同社の投資家には、すでに、モルガン・スタンレーやハイテク専門ベンチャーキャピタル(VC)の
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