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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (12)

  • 都道府県別の大学進学率(2022年春)

    久々のブログ更新になります。今年の『学校基調査』の確報結果が出ましたので,今年春の都道府県別の大学進学率を計算してみようと思います。 文科省『学校基調査』の年次統計をみると,今年春の大学進学率は56.6%と報告されています(コチラの表9)。おそらく,この数字の意味を正しく理解している人はごくわずかでしょう。大学進学率とは,同世代の中で大学に進学した人が何%かです。単純なようですが,計算の仕方はちょっと混み入っています。分子,分母を順に説明します。 まず分子には,今年春の4年制大学入学者数を充てます(以下,4年制大学を大学と言います)。今年春の大学入学者は63万5156人(A)。 分母は,今年春の推定18歳人口を使います。高校卒業者としたいところですが,同世代の中には高校に行かない人もいますので,これはNG。そこで3年前の①中学校卒業者,②中等教育前期課程卒業者,③義務教育学校卒業者の合

    都道府県別の大学進学率(2022年春)
    Nyoho
    Nyoho 2023/01/09
    「これが意味するところは,大学進学チャンスには大きな地域格差がある,ということです。「大学進学率の都道府県差は,各県の生徒の自発的な進路選択の結果だ」などと考える,おめでたい人はいないでしょう。」
  • 人はどの県に移るか

    地方創生の推進と相まって,「移住先に選ばれる県はどこか?」という類の記事をちらほら見かけます。ふるさと回帰支援センターの調査によると,2016年の移住希望先1位は山梨県,2位は長野県だそうです。 http://news.livedoor.com/article/detail/12700774/ なるほど,住みよい県のランキングでも上位によく挙がる県ですので,さもありなんです。しかるに,口先の意見ではなく,実際に人がどう動いているかの統計を観察するのもいいでしょう。 どれほど地域が人を呼び込んでいるかを測る人口移動の指標として,転入超過率がよく使われます。ある年の転入者数から転出者数を差し引いた数(転入超過数)を,当該年の初頭の人口で除した値です。 2016年の東京の30代(日人)を例に,この指標を計算してみましょう。同年中の転入者は9万1,512人,転出者は9万1,198人ですので,分子

    人はどの県に移るか
    Nyoho
    Nyoho 2018/08/20
    転入超過率
  • 大学受験の50年史

    18歳人口の減少により,受験競争は緩和しているといわれますが,それをデータで可視化してみましょう。 文科省の『学校基調査』には,その年の大学入学者数と大学入学志願者数が掲載されています。浪人混みの数値です。ここでいう大学とは,4年制大学であり,短大は含みません。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 私は1995年春の受験生ですが,この年の大学入学者は56万8576人,大学入学志願者は87万7313人です。前者は,競争を勝ち抜いて大学に入れた合格者です。残念ながら不合格になった人は,後者から前者を引いて30万8737人と見積もられます。入学志願者に占める比率は35.2%です。これは不合格率に相当します。 へえ,志願者の3人に1人が辛苦を舐めていたのだなあ。私の世代(76年生まれ)はポスト団塊ジュニア世

    大学受験の50年史
    Nyoho
    Nyoho 2017/08/19
  • 東京都内23区の死亡率

    人は年老いたら死にますが,同じ年齢層であっても,「死」の確率が社会的属性によって異なることは知られています。これを総称して「いのちの格差」などと言ったりします。 この点に関するデータとしては,平均寿命の社会階層差・地域差などがありますが,死亡率という単純な指標によっても可視化できます。 東京都の『人口動態統計』(2015年)を眺めていたら,都内23区別に同年中の死亡者数が計上されています。これを,2015年の『国勢調査』から分かる,同年10月時点の人口で除して,死亡率にしてみました。 下表が数値の一覧です。分子の死亡者数は日人のものなので,分母の人口も同じく日人の数値を使っています。繰り返しますが,分母の人口は2015年10月時点,分子の死亡者数は2015年中の数値です。 同じ大都市でも,死亡率は区によってかなり違いますね。最低の中央区では64.5ですが,マックスの北区では109.3に

    東京都内23区の死亡率
    Nyoho
    Nyoho 2017/04/13
    興味深い
  • 大学非常勤講師の給与

    北海道で,大学非常勤講師の労組が結成されたそうです。 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0328773.html 上記の北海道新聞記事では,道内の大学非常勤講師の給与に関するデータが紹介されています(道私大教連調査)。ポイントは,以下の2点。 ①:通年6コマ教えても年収210万円ほど。 ②:大半が年収300万円未満。 うーん,私もこの業界に長くいますけど,違和感のあるデータです。 まず,通年6コマで年収210万もいくでしょうか。給与は大学によって違いますが,いいところで通年1コマ30万円くらいです。これで6コマの場合,年収は,30万×6=180万円なり。 ここにて,私が教えた3大学の非常勤給与を開陳してしまいましょう。大学名を記してもいいと思いますが,A大学,B大学,C大学としておきます。 A大学 1回の90分=1万円 通

    Nyoho
    Nyoho 2016/11/02
    確かに違和感みある
  • 幼少期のコンピュータ利用と学力の関連

    「幼少期に**すべし」「頭のいい子は,幼少期をこう過ごした」・・・。いつの時代でも親御さんの関心をひくトピックで,私が関わっている『日経デュアル』でも,この手の記事がウケています。 正直言って,私はこういう話はあまり好まないのですが,偏見ばかりというのはよくないと思い,あるデータを分析してみました。それは,タイトルにある通りです。 日はICT後進国で,子どものパソコン所持率は低く,学校の授業での利用頻度も低くなっています。この点の国際データは何度も提示しましたが,コンピュータの利用開始年齢も,諸外国に比して遅くなっています。 OECDの国際学力調査「PISA 2012」のICT調査では,対象の15歳生徒に対し,「初めてコンピュータを利用したのは何歳の時か」と問うています。下図は,主要国の回答分布です。下記サイトにて,リモート集計ができます(粗い整数値でしか%が出せませんが)。 http:

    幼少期のコンピュータ利用と学力の関連
    Nyoho
    Nyoho 2016/09/20
    興味深い
  • この10年間で増えた職業,減った職業

    帯状疱疹の痛み(違和感)もあり,早く目が覚めました。することがないので,ブログでも書こうと思います。 社会は,人々の分業から成り立っています。多くの人は何らかの職業に就き,社会的な役割を遂行しているのですが,どういう職業が求められるかは,時代によって違います。 それを目に見える形で示してくれるのは,官庁統計の職業別の就業者数です。時代の変化に応じて,需要が高まっているとみられる職業を把握するには,ここ数年の変化を観察するのがよいでしょう。 『国勢調査』の現行の職業小分類では,232の職業カテゴリーが設けられています。先日公表された,2015年の『国勢調査』では,この分類に依拠して,職業別の就業者数が集計されています。同じ分類による就業者数の比較は,2005年調査まで遡ることが可能です。 私は,232職業の就業者数が,2005年から2015年までの10年間にかけてどう変わったのかを調べました

    この10年間で増えた職業,減った職業
    Nyoho
    Nyoho 2016/08/02
    かくずつにすぬな。
  • 年収の官民差の国際比較

    7月30日の記事で類似のテーマを扱いましたが,そこで使ったのは個人の収入ではなく世帯収入,それも自己評定(社会全体の中でどの辺りと思うか)のデータでした。 それでもまあ,もっともらしい結果が出ましたが,個人の収入実額のデータを使った比較をしたいものです。ISSP(国際社会調査プログラム)の第4回「家族とジェンダー役割の革新に関する調査」(2012年)では,調査対象者個人の年収実額を尋ねています。また就業者に対し,公務員(public employer)か民間企業勤務者(private employer)かを問うています。 http://www.issp.org/index.php したがって,この調査のローデータを分析することで,各国の公務員と民間勤務者の年収分布を出すことが可能です。今回は,それをやってみようと思います。最近の日では公務員人気が高いですが,公務員の収入優位度は他国と比し

    年収の官民差の国際比較
    Nyoho
    Nyoho 2015/11/08
  • 理系リテラシーのジェンダー差(改)

    3月25日の記事では,「PISA 2012」のデータを使って,15歳生徒の理系リテラシーの性差を国別に明らかにしました。同調査では,15歳生徒の読解力,数学的リテラシー,科学的リテラシーを調査していますが,後2者の平均点です。 そこで示したのは,平均点の男女差ですが,差分にする前の男女の平均点はどうか,という関心もあるでしょう。またOECD加盟国のデータしか扱いませんでしたが,ここでは非加盟国も加えて,分析対象の社会を増やしたいと思います。 私は下記サイトの集計ツールを使って,64か国の数学的リテラシーと科学的リテラシーの平均点を男女別に出しました。全部の国を選んで,2段目の変数の「gender」を選択し,「Create Tables」のボタンを押すだけです。 http://pisa2012.acer.edu.au/interactive.php これにより,国別・性別の平均点がたちどころ

    理系リテラシーのジェンダー差(改)
    Nyoho
    Nyoho 2015/09/12
    ジェンダー 数学力
  • 教員の年齢層別の勤務時間

    前々回の記事では,中学校教員の勤務時間の国際比較をしましたが,日の教員は世界一働いていることを知りました(うち多くは事務などの雑務)。 しかるに教員といっても,一枚岩の存在ではありません。男性もいれば女性もおり,若年層もいれば高年層もいます。過労に陥っているのは誰か。こういう問題を考えることも必要になります。いわゆる,属性別の分析です。 今回は,中学校教員の年齢層別の勤務時間をみてみましょう。日は年齢による役割規範が強い社会ですが,長時間勤務の問題をとっても,年齢によって様相は違うと思われます。 データは,このほど公表された国際教員調査(TALIS 2013)です。調査では,対象の中学校教員に対し,週当たりの勤務時間を尋ねています。自宅での教材研究なども含む,広義の勤務時間です。実際の時数を記入してもらう形式ですが,入力段階のローデータを加工して,10時間ごとの6カテゴリーにまとめま

    教員の年齢層別の勤務時間
  • どの学習指導要領で育ったか

    年が明けました。今年もどうぞ,よろしくお願いいたします。 2015年は戦後70年に当たります。この節目の年のスタートということで,特定の観点から戦後史を振り返ってみようと思います。具体的には,学習指導要領の変遷史の上に,各世代の軌跡を書き込んでみます。タイトルのごとく,それぞれの世代は「どの学習指導要領で育ったか」を可視化する試みです。 学習指導要領とは教育課程の国家基準ですが,その内容は時代ともに改訂されてきています。大よそ10年間隔です。その変遷史をみると,能力主義の考え方のもと,授業時数や教育内容がうんと増やされた時期もあれば,その逆の時期もあります。後者の学習指導要領で育った世代は,「ゆとり世代」などといわれたりします。 どの学習指導要領で育ったかは,各世代の人間形成に少なからず影響していることでしょう。学習指導要領をして「国民形成の設計書」となぞらえた論者もいますが,その規定力(

    どの学習指導要領で育ったか
  • 大学教員の職務時間の変化

    前期の授業が始まりました。非常勤先の大学で,知っている専任の先生に会うと,みなさん疲れた顔をしておられます。「(忙しくて)もうシャレになんねえよ・・・」。エレベータに同乗したある先生は,こんなことをつぶやいておられました。 私は非常勤講師ですが,専任の先生方は確かに大変そうだな,という印象を持ちます。そうした印象を検証できるデータをみつけましたので,今回はそれをご報告します。 用いるのは,文科省『大学等におけるフルタイム換算データに関する調査』の結果です。大学,短大,および大学附置研究所等の教員の年間職務時間が明らかにされています。調査対象の多くは4年制大学教員ですので,以下では単に大学教員ということにします。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa06/fulltime/1284874.htm 最新の2008年度調査によると,集計対象となった

    大学教員の職務時間の変化
    Nyoho
    Nyoho 2013/04/17
    全体の勤務時間は増えているのに研究時間だけ減っている(((;゚Д゚))ガクガクブルブル
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