国連総会(加盟193カ国)は12日の緊急特別会合で、ロシアによるウクライナ東・南部4州の一方的な併合を「違法だ」として非難し、無効を宣言する決議案を143カ国の賛成多数で採択した。反対はロシアなど5カ国。中国やインドなど35カ国が棄権に回った。 採択後、ウクライナのキスリツァ国連大使は記者団に対し「歴史的な瞬間だ。各国は国連憲章の原則を守るという正しい選択をした」と評価した。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「世界を脅かすことはできないというロシアに対する強いメッセージだ」と強調した。 国連総会は3月、ロシア軍の即時撤退を求める非難決議を141カ国の賛成多数で採択していた。その後、戦況の長期化で一部の加盟国に「ウクライナ疲れ」も指摘されていたが、賛成が3月の決議を上回ったことでロシアの孤立が改めて浮き彫りになった形だ。