三陽商会「バーバリーショック」から復活? 7期ぶり黒字の裏側:磯部孝のアパレル最前線(1/6 ページ) 三陽商会の2023年2月期連結業績は、売上高が582億円(会計基準変更前の前期は386億円)、営業損益が22億円の黒字(同10億円の赤字)、純損益が21億円の黒字(同6億6100万円の黒字)となった。本業のもうけ=営業損益が黒字になるのは7期ぶりで、「バーバリー」のライセンス事業を失って以来初となる。今期(24年2月期)は、売上高595億円、営業利益24億円、純利益22億円と、2期連続の増収増益を目指すという。 三陽商会とコートの歩み 三陽商会の歴史は古く、吉原信之が1942年に創業した。戦中だった創業当時は、ガラスやセラミックス、金属、石材などを切断するときに使われる切断砥石や、時計のガラス、ミシンなど、入手可能な原材料からさまざまな物を手掛けていた。 敗戦間もない46年、軍隊時代のつ