米軍基地問題に詳しい野添文彬・沖縄国際大准教授と在日台湾人ジャーナリスト、劉彦甫さんの対談。沖縄では保守が必ずしも米軍基地賛成ではなく、逆に革新が反基地で反米というわけでもない。「下」は基地問題をめぐる政治の分断や、地域外交の可能性、抑止力を必要とする台湾と基地負担軽減を求める沖縄が手を結び合うために、日本本土も含めて何を理解し、何をなすべきかを語り合いました。【構成・鈴木英生】 台湾海峡をめぐり緊張が高まっています。沖縄国際大の野添文彬准教授と、若手の在日台湾人ジャーナリスト、劉彦甫さんが、沖縄と台湾を取り巻く状況を3回にわたって討論します。 上 海峡有事と基地問題の背景 中 日本の右派と左派の誤り 沖縄の基地分散は米軍の戦略にかなう ――日本本土と沖縄、台湾の安全保障上の構図を少し詳しく説明すると? 野添 戦後東アジアの自由主義陣営諸国には、安全保障の分業体制があります。日本本土は平和