朝鮮戦争時、福岡市の板付基地(福岡空港)から朝鮮半島へ出撃する米軍のF80戦闘機。日本は米軍の兵員、物資の中継基地としてもフル稼働した=1950年6月撮影 戦後日本の平和を守ったのは、「憲法と安保の両輪」とされる。本当に、この二つだけで日本は守られてきたのか。戦後の北東アジアの歴史をさかのぼると、共産圏との前線に位置する韓国や台湾、米軍基地の集中する沖縄が、平和国家の「盾」を担ってきた現実が浮かび上がる。【聞き手・鈴木英生】 日米安保「極東条項」が鍵 千々和泰明・防衛省防衛研究所主任研究官 日米安保条約は、日本の米軍への基地提供と米国の日本防衛義務の交換で成り立っているとされる。しかし、条文に、在日米軍を「極東」の平和と安全のためにも使える「極東条項」がある。特に朝鮮半島有事を念頭に置いたものだが、「日本を外国の戦争に巻き込みかねない条項」と警戒されてきた。実は、極東条項こそが日本の安全を