庵野秀明監督のTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が始まったのは1995年。96年に終了した後も熱狂的な反響が続いてシリーズ化され、日本アニメの代表作となったエヴァが今年公開の劇場版で完結する。TV版の放送終了から25年、なぜエヴァが長く影響力を持ち続けるのか、サブカルチャーに詳しい国際日本文化研究センター教授の大塚英志氏に聞いた。エヴァの舞台は放送当時近未来だった2015年の第3新東京
太平記から漫画、模型、アニメ、ボーカロイドまで、日本の大衆文化の通史を一冊の本で描き切った日文研大衆文化研究プロジェクトによる書籍『日本大衆文化史』(KADOKAWA)。 大塚英志氏 この本では、漫画の鳥獣戯画起源論など、現代の日本文化が中世や近世にルーツを持つとする説は、戦時下に政治的に必要とされて「創られた伝統」だと退けた上で、それとは別に一貫して存在してきた運動を描いていく。 「お約束」や共通前提(歌舞伎でいう「世界」)を踏まえながら新要素(同じく歌舞伎でいう「趣向」)を入れて作品が生み出されていくという、二次創作的とも言える仕組みこそが「文化」であり、それは有象無象の大衆=民俗学者の柳田國男がいう「群れとしての作者」が担ってきた、という見立てのもとで見えてきた「日本」「大衆」文化史の姿とは――主筆を務めた国際日本文化研究センター教授・大塚英志氏に訊いた。 『日本大衆文化史』は通史を
大塚英志のおたく社会時評 第五回 14歳のエヴァは終わっていない 神戸の例の事件で14歳の少年が逮捕された直後、角川の関係者が、少年が「エヴァンゲリオンを見てなきゃいいんだけど」などと妙な心配をしていたが、少し前の「少年エース」に「エヴァをきっかけに14歳という年齢について考えるようになりました」という14歳の少年(もちろん神戸の彼とは別人だろうが)の投書が載っていたのをふと思い出した。 誰も覚えていないだろうが、89年の夏、徳島で数人の中学生の女の子が前世の自分にあいに行くといって市販の鎮痛剤を飲むという奇妙な「自殺騒ぎ」があった。彼女たちは自殺する気は全くなく、ただ前世の本当の自分を知りたかっただけである。鎮痛剤を飲んで海辺に横たわる直前、彼女たちは確か『魔女の宅急便』を揃って見ていたはずだ。14歳の誕生日の日、家を出て少女が大人になる、という物語。 神戸の少年がエヴァを見ていた
文字サイズ 標準 拡大 BOOKSTAND(ブックスタンド) > ニュース > 「クウデタア」が一人の人間の内部で起きること------戦後文学者と少年テロリストたち/『クウデタア』原作者・大塚英志さんインタビュー(前半) まんが原作者・批評家である大塚英志さんの最新作、『クウデタア 完全版』が発売になりました。舞台は敗戦の開放感と新時代への不安が入り混じる60年安保の前夜、三島由紀夫、大江健三郎、石原慎太郎、江藤淳という戦後文学の担い手たちと、「クウデタア」を決行した10代の少年たちを描いた青春群像です。原作者の大塚さんに『クウデタア』の時代についてお話を聞かせていただきました。 ■戦後文学者と少年テロリストたち ---- 今回発売になった『クウデタア 完全版』は原作者の大塚さんからするとどういう人に読んでほしいと思われていますか? 大塚:こういう読者に届けたいという建前を言うべきでしょ
「平成」の最後の一年を記録しておくエッセイを考えていた矢先、西部邁が自死した。去年、ぼくのほうが論壇を遠く離れて久しいが、彼の主宰する雑誌の座談会に突然呼ばれ、久しぶりに少しだけ話した。「こんな身体になってしまった」と手袋をはめた手を差し出す姿は弱々しかったが、それでも座談会では冗舌だった。「近代」というものをどこまでも懐疑する西部と、「近代」を断念するべきではないと考えるぼくの立場は一致するはずもないが、互いの話はおだやかにすれ違った。 それから少しして西部から新著『保守の真髄』が送られてきて、あとがきに自死を考えていたとしか思えないくだりがあったので、あわてて、「自死など考えずにだらだらと書き続けるべきだ」という一文を含む書評を書いた。掲載は先だというので、ひどくのんびり出て来たゲラを昔の教え子に運営してもらっている事務所のツイッターに載せておいたのが1月11日だ。世間の人のそれより2
ニュース・お知らせ 『東京オルタナティヴ』原作者・大塚英志氏インタビュー #特集/注目記事2017/09/05 東京に3発目の原爆が落ちた世界と落ちていない世界を舞台にした『東京オルタナティヴ』が連載開始。1950年代末の少年テロリストを描いた『クウデタア』『クウデタア2』に続き、まんが家・西川聖蘭さんとまんが原作者・大塚英志さんが放つ最新作は一体どういう作品になっていくか、なぜこの作品を今やろうと思われたのかを原作者の大塚英志さんに作品について聞かせていただきました。 ●『東京オルタナティヴ』は『東京事件』の続編? ── 『ヤングエース』誌上で連載が始まった新作『東京オルタナティヴ』は旧作『東京事件』の続編ということでしょうか? 大塚: 続編というより、正確には「仕切り直し」です。キャラクターや設定の一部は踏襲しているし、『東京事件』を以前に読んでいた読者が整合性をつけようと思えばつくよ
Atomic Lemmy.Mが7年前のレヴォの打ち上げで撮った画像をくれたので公開。バカもほどほどにしたほうが良いといういい見本。 http://x51.org/x/05/06/2437.php http://abcdane.net/blog/archives/200506/bionic_ude.html ついに科学はここまできたですよ! GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 [DVD] 出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2004/02/25メディア: DVD購入: 4人 クリック: 119回この商品を含むブログ (278件) を見るに出てきたすごい勢いでキーボード叩く研究者みたいなサイバーアームが1本100万円くらいで発売されないかにゃー。そしたら6本つけるんだけど。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050624
大塚英志のおたく社会時評 第六回 アスカと寝てみる、っていうのはなかったんだろうか。 陽気婢の『彼女の自由』(ワニマガジン社)が面白い。『エヴァンゲリオン劇場版』の冒頭でシンジが病室に横たわるアスカを見てマスターベーションしてしまう場面があったけど、ちょっとあの感じに似ている。シンジくんもそうだけれど、陽気婢の作品も逆おとめちっくもの、とでもいったらいいのか、男の子の内面が肥大して描かれ る。 花見Q太郎にもちょっと感じるのだが、こういったうつむき加減でうじうじ系で本当の自分をわかってくれる異性を求めている、というキャラクターは本来、70年代後半の陸奥A子とか田渕由美子とか、あの辺りの乙女ちっく系少女まんがのものだった。恐らく掲載誌が中綴じのH系青年誌のせいなのだろう、陽気婢の作品は、まず心よりも先に肉体が仲良くなってしまうというパターンの作品が多いが、作者はその後で律儀に心がわかり
【書評】『シャーロック・ケースブック』ガイ・アダムス著 加藤祐子訳/早川書房/2310円 【評者】大塚英志(まんが原作者) イギリスBBCで放送されたTVドラマ「SHERLOCK」はコナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」の現代版。ホームズの「二次創作」はミステリーの歴史においては一種の定番だけれど、これは「ホームズ」「ワトソン」が「シャーロック」「ジョン」とファーストネームで呼ばれ、ジョンはシャーロックの「事件簿」を本でなくブログに書き、シャーロックはコカイン中毒でなくニコチン中毒で、推理の時はニコチンパッチを腕に貼る。 下宿のハドソン夫人は同宿を始めた彼ら二人がゲイだと思っていて妙に理解があり、モリアーティはレクター教授を躁状態にしたサイコパス。しかし「パロディ」ではなく、きっちりとホームズが現代に置き換えられている。とにかく一つ一つの細部がきっちりと古典としての「ホームズ」を踏まえた
大塚英志のおたく社会時評 第一回 「エヴァは、やっぱり、自己啓発セミナーである」 「エヴァ」最終回のプロットは自己啓発セミナーのプログラムそのものである、というぼくの指摘に対し、庵野は『クイックジャパン』のインタビューでセミナーに参加したことはない、と否定している。だが、別にぼくは庵野のセミナー参加云々を問題にしたのではない。「エヴァ」の最終回に於ける問題解決の方法が「セミナー」と同一であるというのは事実以外の何者でもない。百歩譲ってそれがセミナーのカリキュラムからの引用ではなく、庵野の創意工夫の産物であったとしたら、まさにそれは彼の「創造」力の限界なり不可能性を露わにしてしまっていることになるではないか。 ここで誤解のないように言っておくが「エヴァ」がセミナーと同一構造だからダメだ、といっているのではなく、セミナーも「エヴァ」も問題解決の手段として間違っている、といっている
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く