なんか「私だけルックバックに感動できない」コンプレックスが始まってますね… #Peing #質問箱 https://t.co/f0XaYVdSTW
<後日追記:以下は同作品の初版(Web)に関する考察です。現在の版とは異なります> 私は毎年の世界統合失調症デーの呼びかけなど、統合失調症に関する小さな活動を行っている個人です。 その立場から、今話題の「ルックバック」と精神疾患について、考えをまとめてみました。 作品としてのルックバックのすばらしさを否定するつもりは全くありません。 むしろ逆で、名作だと思うから伝えたくなりました。 結論から言うと、作品の中で殺人事件を幻聴・妄想と結び付けている部分は、精神疾患をもつ人への差別偏見を助長すると考えます。 具体的には下記の2点です。 「大学内に飾られている絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」(新聞記事) 「男はこの時も被害妄想により自分を罵倒する声が聞こえていたと供述」(犯行場面) 症状として幻聴・妄想をもつ精神疾患患者は、それ以外の人と同じく、ほとんど全ての場合に犯罪とは無縁です。治療をうけ
7月19日に公開された藤本タツキの漫画「ルックバック」は傑作だった。CSM以来の藤本ファンとしては、この作家の底知れない引き出しの多さに驚愕したし、予告されているCSM第二部への期待感がいやがうえにも高まった。とはいえ、私は自分がこの作品のほんとうの素晴らしさを理解できているとは思わない。本作は「漫画家についての漫画」であると同時に、これまでになく藤本の個人史を投影したとおぼしい作品だ。それゆえ、実際に漫画制作に関わった経験のある人ほど、その素晴らしさを深く理解できるであろう。 私は特に物語後半の「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いかけに続く無音のシークエンスがことのほか好きで、そこだけ何度も読み返している。藤野のネームを読んだ京本のうれしそうな笑顔、涙ぐむ京本にティッシュを渡す藤野、ただ京本を喜ばせたかった、という想いが画面全体から溢れ出してくる。藤本作品は良く映画的、と言
藤本タツキの読み切り「ルックバック」が公開されたのは19日。まだ3日しか経っていないのにものすごい反響である。 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+(https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355) 「ネタバレあり」なのでこのあと作品の内容に触れていきますよ。見出しだけでは全体像が見えないことがあります。まずリンク先を読んでみませんか? というかすごい作品なので読んでください。 読みましたか? 読みましたね。 では続きです。 「ルックバック」が傑作であることは間違いない。これは京都アニメーションの放火殺人事件をモチーフにしているという。藤本タツキは「長門は俺」というペンネームを使っていた時代もあるそうで、ここでいう「長門」は長門有希、「涼宮ハルヒの憂鬱」の登場人物である。そしてそのアニメを制作したのは京都アニメーショ
・東京オリンピックが、開幕直前にいたってなおひどい状況です。2013年、東京オリンピックが決まったとき、大学院ゼミの同人誌ではオリンピックについて考える特集を組んでおり、そこでは次のように書き始めていました。 二〇二〇年のオリンピック開催地が東京に決まった。「東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません」という謎の断言とともに招致されたオリンピックへの僕の印象は、佐々木敦と同様、「愚の骨頂」(『en-taxi』2013・冬)だというものだった。(『F』2013.11) もっとも当時、短期的な景気回復を求めるリアリティもあったとは思うので、そのあたりは差し引いて良し悪しは考えよう、とも思っていました。とは言え、引用部での安倍晋三の「断言」と同じく、オリンピック招致するさいの、原発の汚染水についての「アンダーコントロール」というコメントからして、多
今日は結構攻撃的なモードで書いてます。 先日のnoteで紹介した”ルックバック”という作品。 僕が午前中に見た限りでは、漫画家さんやテレビプロデューサーなど、クリエイター的な人たちを中心に話題になっていました。喜び、素直な嫉妬といったポジティブなものがほとんどでした。 しかし、1日も経たず、その日の夕方には一般人のあいだでもとても話題になっていました。 バズり具合でいうと、100日後に死ぬワニのような加熱っぷりでした。 僕もすごく感動してnoteにも書いたし、奥さんにも「すぐに読んでくれ」とリンクを送ったくらいでした。 そこまでは、僕は、上のnoteに書いたようにとても感動していました。こんなに素晴らしい作品を、こんなに作品が飽和した時代に生み出されたことに。 しかし、今は”バズる”ってのはもはや「百害あって一利なし」でしかないな、と思うような言葉の数々が目に入るようになってきました。 例
>> 藤本タツキ先生の「ルックバック」はとても素晴らしい作品であったけれども、大衆が抱える統合失調症への嫌悪感を投げつけられたようで、少し寂しかった。 「ルックバック」から遡行的に誤解が広がってはいけないので釘を刺しておくと、京アニ放火殺人犯の青葉容疑者は精神鑑定の結果「完全責任能力あり」、つまり犯行の主因は精神障害ではない、とされています。https://t.co/JdUVNGsmlD — 斎藤環 3.15発売「まんが やってみたくなるオープンダイアローグ 」 (医学書院) (@pentaxxx) July 19, 2021 ルックバックを読んだ。身を引き裂かれるような想いをした。それは多分、私は虚構によって生かされてきた人間だからだろう。ネットを騒がせている考察と言う名の決めつけの羅列には、割と辟易しといる。京アニへの追悼だというのも、精神病患者へのスティグマ化というのも、全ては読み手
ルックバックを読んだ統合失調症の人に対してのめちゃくちゃな意見が結構目に付いてさすがに酷いと思ったので自分が読んで思った事と解釈を書く。 まずルックバックを読んであの犯人と青葉被告は容易に結びつくしタイトルと公開日からしても意図的に分かりやすくしている。 ただし青葉被告が統合失調症だったのかはまだはっきりされていないし精神障害2級という報道もあるがそもそも初公判すらまだ行われていない為はっきりしていない。 なのでそれを作中の犯人=統合失調症で結ぶのは危険で、あくまで結ぶべきは犯人=青葉被告だと思う。 だがしかし初公判もまだという状況でとてもデリケートな事件を漫画の題材とする事に配慮が足りないのではないかという声が上がるのは作者も編集部も間違いなく予想されていただろうと思う。 では何故それでも公開したのかと考えるとそれはタイトルと公開日からも分かるようにこの作品のテーマが「振り返る」だからだ
『ルックバック』の犯人の特徴が統合失調症と一致する問題が話題になってます。 この問題の本質は、作者や読者、個人レベルの差別の問題ではなく、そして個人を責めるべき話でもなく、社会と統合失調症の果てしない遠さにあります。 この殺人犯に関するマンガ内の描写は極めて簡素です。およそ記号的です。それが当事者、関係者が見れば誰でも統合失調症を想起する描写(その他には薬物依存症ぐらいしか考えがたい描写)で描かれています。つまり、殺人犯という記号に、統合失調症が使われたということです。 これはおそらくそこまで意図的な使用ではないでしょう。良くも悪くも統合失調症に対する思い入れは作品からは感じられません。つまり、統合失調症も単に記号として使われた、ということです。 殺人犯という記号に統合失調症という記号を代入した。それだけなのでしょう。しかし、だからこそより問題は根深いわけです。 軽い気持ちで殺人犯に統合失
少年ジャンプ+に掲載された藤本タツキの「ルックバック」という漫画が話題だ。 shonenjumpplus.com 私も読んだけれど、とても素晴らしい作品だと感動してTwitterでシェアした。 しかし、読んだ時、一瞬「ウッ!」となる表現があったのだが「漫画の大筋の方は良いから」という理由でその箇所をスルーした。 しかし、今思うとそれは良くないと感じて、ブログに書くことにした。 それは作品中に描かれている通り魔殺人の犯人のことである。漫画の中でははっきりと「統合失調症」と書いていないが、「絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」という新聞の見出しが描かれていて、聞こえない声が聞こえるのは「幻聴」であり「統合失調症」の症状である。 精神疾患の患者が映画や小説、漫画などに登場する時がどんな時かというと「常人には理解できない殺人犯。異常者」という役回りがほとんどである。弱いものを助けたり、ヒーローにな
※以下加筆部分 この記事は、2021年8月2日に行われた作品の「修正」および同年9月発売の単行本『ルックバック』よりも前に書かれたものであり、一番最初に公開されたバージョンに即しています。最初のバージョンは今ではアクセスが難しくなってしまいましたが、公開当時の反応の一例を残しておくことにも一定の意味があろうと思いますので、そのまま残してあります。 ※加筆ここまで 2021年7月19日に『ジャンプ+』で公開された藤本タツキの中編「ルックバック」は、公開直後から大変な反響を引き起こしている。良し悪しという意味での評価は別にして、この作品は読者に何か語らせずにはおかないというか、裏読みのようなものへの欲望を喚起せずにはいない構造がある。"Don't Look Back in Anger"をはじめとした、作品の至るところに散りばめられた「元ネタ」の数々、「バック」=過去=背中=……といったモチーフ
荻上です。ラジオのOPで、2、3分ほどのフリートークの時間があります。僕はそこで、『ルックバック』現象について簡単に触れました。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355 内容は、「『ルックバック』というすごく良い漫画が話題になっていた。漫画家クラスターなどを含めてさまざまな反響があった。「過去を振り返る」「前を向く」ことについて読み手に考えさせる作品であるが、打ちのめされたようなツイートをしている人も。詳細は、社会的な出来事に関わる漫画でもあり、触れるとネタバレになりそうなため、ひとまず読んでいない方は是非」というものです。 受け止め難い理不尽な出来事を前に自分を責め、「あり得たかもしれない別の世界」あるいは「イマジナリーな救済」に一時避難するが、それでもなお「自分の席」に座り直すというストーリー。主人公たちが過ごした時
ジャンププラスで公開された藤本タツキ『ルックバック』。藤野と京本、学級新聞に4コマ漫画をのせる少女ふたりをとおして、さまざまな表現と表現者へのオマージュを感じさせる。 shonenjumpplus.com 技巧的でいて読みやすい。流し読みでも主人公の心情を追っていけるし、じっくり組みこまれた小ネタを読み解く楽しみもある。 全体としては、いきがる子供を力強く肯定していくところが良い意味で珍しい、と思った。 ただし、中盤でさしこまれる悲劇の「怪物」だけは、あまり作りこまれてないし、その雑さが魅力に転化しているとも言いがたい。古臭く平凡なB級映画のキャラクターイメージを安易に引用しただけに見えた。 そうしたB級映画で登場する「怪物」にしても、まったく進歩がないわけではないのに。たとえば韓国映画では、十年以上前からさまざまな挑戦が見られている*1。偏見を逆用するものもあるし、いったん限界までよりそ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く