3月1日に東京・お台場にオープンした「イマーシブ・フォート東京」。事前に大きな話題を読んでいたことや、この分野について以前に論じていたこともあって、春休みのタイミングを利用して行ってきた。結論から言うと、自分が論じていた「没入性(イマーシブネス)」について実践的な取り組みが行われていることが確認できた一方で、今後に向けた課題も感じるものだった。 まず押さえておかないといけないのは、「イマーシブ」が2020年代のエンタメのキーワードになりつつあるということだ。イマーシブなエンタメには大きく言って、「イマーシブ・ミュージアム」のように、既存の絵画を動画化してプロジェクション・マッピングとして投影するタイプのものと、今回のイマーシブ・フォート東京のように演者が演劇を行う場面に一緒に参加できる「イマーシブ・シアター」がある。イマーシブ・シアターには、「ひろしまナイトミュージアム」のように舞台と美術