下記は、月刊正論2016年9月号に掲載された拙コラムである。 アメリカの深層13 「治安」で対立するヒラリーとトランプ 島田洋一(福井県立大学教授) 日本が意外な形で評価されていて驚くことがある。アメリカの有力保守系メディア、ブライトバート7月1日付の記事もその一つだ。「日本の最高裁、イスラム教徒に対する特別監視を支持」と題したレポートは、5月31日の最高裁決定に注意を喚起している。この記事は保守系トークラジオ等でも話題となった。 簡単に経緯を記しておくと、「警視庁公安部の内部資料とされる国際テロ捜査情報がインターネット上に流出し、プライバシー侵害などとして、イスラム教徒17人が国と東京都に損害賠償を求めた訴訟で、都に計約9000万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。原告側は公安部の情報収集は憲法違反と主張し上告したが、最高裁が退ける決定をした」となる(時事の配信記事を一部簡略化した