国連児童基金(ユニセフ)の男性職員が、北朝鮮の朝鮮人民軍対外諜報機関「偵察総局」工作員であることが明るみに出た。10月22日の「産経ニュース」で報じるきっかけとなったのは、脱北した元北朝鮮高官が暴露したからだった。北朝鮮に忠誠を誓った非のない工作員が突如、身内の裏切りにあったわけだ。本人は驚いただろうが、各国は、こうしたチクリをスパイから自国を守る防諜手段として活用しているのが実情だ。昨年には中国がスパイ活動を行ったとして複数の日本人を拘束している。日本はスパイの存在を否定したが、素直にうなずく国は皆無だろう。 朝鮮半島関係者が把握した元北朝鮮高官の証言などによると、工作員は少なくとも10月21日までユニセフのソロモン諸島事務所に勤務。旧朝鮮労働党35号室(現偵察総局)に所属していた工作員は2000年代以降、モンゴルやフィジーでユニセフ職員などとして活動し、各国要人の抱き込み工作や軍事情報