【北京=矢板明夫】中国の習近平国家主席が29日に福田康夫元首相と面会したことは、日中関係の雪解けを国内外にアピールし、北京で11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際の、日中首脳会談に向けた地ならしの狙いがあるとみられる。 習主席が最高指導者になって約2年。この間、日本人と会ったことが公式に確認されたのは7回しかない。そのうち3回の相手は福田元首相である。首相時代に対中関係を重視したことと、安倍晋三首相と同じ派閥の先輩として現在の日本政府に一定の影響力を持つと考えたともいえる。 習主席は7月に福田氏と会談した際に、日中首脳会談の条件として「尖閣問題を認める」「首相は靖国神社を参拝しない」の2つを日本側に提示したが、安倍首相に一蹴されたと伝えられている。 一方、「APECに合わせての日中首脳会談は既定路線となりつつある」(中国外交関係者)。しかし、習主席としては日本側か