ドゥテルテ氏またお騒がせ 人権弾圧のマルコス元大統領を「英雄」墓地に 「歴史を浄化するな!」と数千人デモ 【シンガポール=吉村英輝】フィリピンで長期独裁政権を維持し、1986年の「ピープルパワー(民衆の力)政変」で失脚した故マルコス元大統領の遺体について、ドゥテルテ大統領が「英雄」として埋葬することを決め、波紋を広げている。ドゥテルテ氏には、薬物犯罪容疑者らの「超法規的殺人」を容認する姿勢に、批判が上がっている。人権弾圧などで現代史に汚点を残したマルコス氏の名誉回復は、世論の反発を増幅させそうだ。 「歴史を浄化するな」。マニラ首都圏の教育省前などで21日、数千人の学生らがデモ行進し、マルコス氏の英雄墓地への埋葬に反対する声を上げた。この日は、44年前の1972年にマルコス氏が戒厳令を布告した日。マルコス氏は、戒厳令で学生らの民主化運動を弾圧し、私腹を肥やして政治家や官僚の腐敗を進行させたと