睡眠不足が疾病リスクを高めるだけでなく、仕事のパフォーマンスを低下させることは広く知られる。だが、極端に短い睡眠で偉業を成し遂げた成功者に倣ってか、いまだに寝不足を自慢するリーダーがいる。企業も組織のエンゲージメント向上に予算をつけても、そのカギとなる睡眠に焦点を当てることはほとんどない。本稿では早い段階から睡眠障害に対処し、質のよい睡眠を手に入れることで、よりよいリーダーになるための教訓を教える。 慢性的な睡眠不足は、職場の日常風景だ。米国では成人の約25%が不眠症に苦しんでいるという報告があり、別の報告ではほぼ同数の人々が過度な眠気を日常的に感じると答えている。 当然のことながら、睡眠障害はがんや鬱、心臓疾患のリスクを高める。そして、生産性も下げてしまう。メタ分析研究では、睡眠不足に陥ることで機嫌が悪くなったり情緒不安定になったりするため、職場でのパフォーマンスがかなり悪化することが示