公園や市民会館などと並び、公共施設の代表格とされる図書館。今、一般人が一つの本棚を有償で借り、自分の本を無料で貸し出す「一箱本棚オーナー制」の私設図書館が全国各地で増えている。一切行政の手を借りず、一箱本棚オーナーの月額利用料だけで黒字運営に成功しているといい、その秘密に迫った。 本好きの一般人が図書館のオーナーになれる画期的な私設図書館「みんなの図書館さんかく(以下、さんかく)」が、全国に拡大中だ。開館準備中のものも含めると、姉妹図書館の数はおよそ50に及ぶ。「こんなに増えるならフランチャイズにし、ライセンス料を取ればもうかりますね」と冗談めかして笑うのは、地域の課題解決やコミュニティーづくりを担う一般社団法人トリナスの代表理事・土肥潤也氏(28歳)。第1号となるさんかくを2020年3月、静岡県焼津市の焼津駅前通り商店街にオープンした人物だ。同氏は「公共サービスに対する市民一人ひとりの当