「僕は大阪市長のポジションをなくすために市役所に入ってきた」 3月16日、大阪市の橋下徹市長(42)は定例の記者会見で言い切った。 橋下氏は「大阪都構想」を打ち出し、府知事を辞めて昨年12月、市長に転じた。府と政令市を都に再編し、二重行政を解消して行財政改革に取り組む。その方針を強力に推し進めている。 淀川沿いには府市それぞれの浄水場がある。新型インフルエンザの発生時には学校の一斉休校を巡り、当初、両者の判断が割れた。「二つの大阪が存在する」。橋下氏はそう表現する。 大阪市議会も3月末、構想の実現を目指す大都市制度推進協議会の設置条例案を可決した。 大阪の動きは、他の自治体や国にも影響を与えた。 「県と市の二つの司令塔を一つにし、力を上げたい」。愛知県の大村秀章知事(52)は名古屋市の河村たかし市長(63)と「中京都」を掲げる。新潟県と新潟市は「新潟州」を打ち出した。 首相の諮問機関・地方