貧困は固定化している(4) 私たちのNPO法人「ほっとプラス」(さいたま市)にある日、34歳男性から相談電話がかかってきました。「契約社員をしているんですが、仕事も暮らしも展望がないんです。話を聞いてもらせませんか」−−弱々しい声でした。 東京六大学の一つで法律を勉強し、学生時代は弁護士を目指していました。しかし、司法試験に何度も落ち、結局法律の道をあきらめました。ここ6年ほど、法律知識を生かせる実務書系の出版社で契約社員の編集者をしています。
日本最大の日雇い労働者の街、大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)にある「あいりん労働公共職業安定所」が、1970年の開所以来実施していなかった職業紹介を、1日から始めた。これまでは日雇いの仕事に就けなかった労働者への日雇労働求職者給付金(あぶれ手当)の給付を担当。全国の職安の中で唯一、職業紹介をしていなかった。 あいりん地区の職業紹介は、あいりん職安と同じ建物に入る大阪府の公益財団法人「西成労働福祉センター」が担ってきた。センターの管理下で、1階広場に求人条件を示したプラカードを手にした業者が集まり、労働者と直接雇用契約を結ぶ「相対紹介」が行われている。 しかし昨年4月、あいりん職安が職業紹介しないことを違法などと訴える裁判で、大阪地裁が「職業紹介は厚生労働省の規則で定められた職安の業務」と違法性を認めた。これを受けて厚労省が運用を改めた。 61年の第1次釜ケ崎暴動を受… この記事は有料会
「生活保護を利用し始めると人間は怠惰になり働くことを考えなくなるから、利用させても短期であるべき」という主張を数多く見かけます。 生活保護を利用し始めると、実際には、人はどのように変化するのでしょうか? それは就労を妨げる性格のものでしょうか? 「働かない」「働けない」の区別は非常に困難「生活保護に甘えて働けるのに働かない人がたくさんいる状況は良くないので、就労させるべし」 という論は非常によく見かけます。 「甘えている」かどうか、「働ける」とすることが妥当かどうかを客観的に判断することは非常に困難、むしろ不可能といってよいような難事だと思います。それを突き詰めていくと、 「飢えて凍えるような状態にあって、なお働かずに死ぬようだったら、働かなかったのは意思の問題ではなく実際に働けなかったのだろう。それ以外は『働けない』ではなく『働かない』とする」 ということになってしまいます。 実際に、路
『週刊ダイヤモンド』特別レポート ダイヤモンド編集部による取材レポートと編集部厳選の特別寄稿を掲載。『週刊ダイヤモンド』と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。 バックナンバー一覧 米国経済の抱える問題として、失業率の高止まりがあるのは、よく知られていることだ。だが、実際に一般の人びとがどういう状況に置かれているかは、日本では見えてこない。現実は、おそらく多くの日本人の想像をはるかに超えて厳しい。現地からのレポートをお送りする。(取材・文/ジャーナリスト 長野美穂) カリフォルニア州、ロサンゼルスのマリーナ。ピーカンの青空の下、そよそよとヤシの木が揺れ、ヨットの白い帆がまぶしく波間に光る。 そんな天国のような景色の片隅に、州の失業保険の茶色の事務所がひっそりと建っている。その駐車場では、天国にはほど遠い光景が展開されていた。 「失業保険が4ヵ月経っても支払われて
国と東京都が開設した「公設派遣村」で多数の入所者の所在が分からなくなっている問題を巡り、石原慎太郎知事は8日、「こっちは国に頼まれてやったこと。国の役人が現場へ来て手伝ったらいい」と述べ、国の責任を強調した。鳩山由紀夫首相や閣僚が派遣村を視察したことについては「あの程度の行事に総理大臣が出かけて行くべきじゃない」と批判。「私は行きません」と断言した。 公設派遣村は国が費用を負担し、実施場所の確保や運営は国の要請を受けた都が受け持っている。石原知事は「本当は現場を構成するはずの国が何もしないでおいて、総理大臣が(視察して)『お気の毒ですね、大変ですね』っていうことで済むのかね」と述べた。 公設派遣村は5日から、日雇い労働者向け宿泊施設「なぎさ寮」(大田区)に拠点を移し、2週間の期限で入所者の支援を続けているが、石原知事は「期限は延長しない」と明言。入所者については「仕事をあっせんしたら『それ
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