米マサチューセッツ工科大学(MIT)をはじめとする国際チームは、複雑に折りたたまれた未開封の17世紀ヨーロッパの手紙を、仮想空間で開封して内容を読み取る技術を開発した。研究結果は、2021年3月2日付けで『Nature Communications』に掲載されている。 我々が手紙を送るときは通常、封筒に入れて投函する。しかし、封筒が普及する1830年代以前は、人々は第三者に手紙を開封されるのを防ぐため、「レターロッキング」と呼ばれる方法で手紙を郵送していた。一番単純なレターロッキングは、手紙そのものを複雑に折り込んで封筒にしたもので、さらに蝋や紙で封印して機密性を上げるなどバリエーションが豊富だ。これらは、古代の物理的な通信セキュリティ技術と現代のデジタル暗号化との間のミッシングリンクとも考えられており、紙の折り目やひだ、スリット自体が、歴史家や修復家にとって非常に価値ある証拠となっている